イノベーターとミッションドリブンなスタートアップ企業のための、受賞歴あるPRファームJMG Public Relationsの創業者兼CEO、Jenna Guarneri。
多くの人にとって意外だったかもしれないが、近年、人工知能は世界を席巻している。ピッチデッキやプレスリリースのためのコンテンツ生成から、コンテンツのパフォーマンス測定まで、AIが切り開いた可能性は、ブランドがPR戦略を作り、配信し、評価する方法を大きく変えた。
だが、ブランドの間でAIツールの普及が進むにつれ、そのスピードと効率性が、PRという技術における「人間らしさ」の重要性をかすませている。チームはしばしば、次の問いを見落とす。AIツールがPR活動を自動化できるのだとしたら、本物の、真の信頼を築く責任は誰が負うのか。
可視性は1つのことだが、信頼は別物である。機械が、ターゲットオーディエンスの前にあなたの名前を出すPRプランを作れることは十分にあり得る。だが、本当の有効性が試されるのは、オーディエンスがあなたを覚えているかどうか、ましてやあなたの製品やサービスを信じるかどうかだ。
AIは、メッセージをテストし、配信をパーソナライズし、到達範囲を効率的に広げることで、ToDoをより速く前に進められるかもしれない。しかし、決して置き換えられないのは、人間の判断と、人間中心のPRが築ける真の関係性である。
仕事の複数の側面を自動化するのは魅力的に見えるが、結局のところ、私は人間中心のPRに勝るものはないと感じている。
自動化には当たり外れがある
AIが最も得意とすることの1つは、パターン認識である。どの見出しが最も成果を上げるのか、どのコンテンツ形式がトレンドなのかを知りたいなら、PRツールは確かに役に立つ。パフォーマンスマーケティングの領域では、主な目標の1つが目標数値の達成や可視性の獲得であるため、AIから得られる成果で十分に思えることもある。
しかし、PRとなると、そのプロセスに含まれる要素は非常に多い。PRは単なる可視性ではない。評判づくりである。そこで問われるのは、こうした「いいね」、コメント、インプレッションは、本当のところどれほど価値があるのか、ということだ。それらはユーザーを顧客、パートナー、チームメンバー、あるいはブランドの熱心なファンへと転換しているのか。
ブランドは高いエンゲージメントを生み出しても、メディア露出の機会の獲得に苦戦することがある。AIツールから出てくるあらゆる推奨に従って完璧に最適化されたキャンペーンを走らせても、アワードシーズンにブランドのリーダーが冷遇されることもある。コンテンツを正しいアルゴリズムに与えても、真のソートリーダーシップを確立できないこともある。
信頼は紙の上の数字ではない
信頼を定量化したいと思っても、できることには限りがある。コンバージョン、反応、イベント参加者数といった形で測定はできる。しかし、それらの数値がどれほど正確であっても、常に全体像の半分にしかならない。
信頼は文脈によって定義される。たとえば、ブランドリーダーの投稿はどのトピックで良い成果を出し、なぜそのトピックが業界の人々にとって重要だったのか。あるいは、どのようなメッセージがオーディエンスに響き、彼らがあなたの視点に明確さを求められるようになるまでに、どのような文化的変化が起きていたのか。
数字によって表れる信頼性以上に重要なのは、なぜその数字がそのように見えるのか、そしてそれがより広い言説の中でのあなたの立ち位置について何を語っているのか、という問いである。
そのレベルの内省には、今日の文化への能動的な参与、より具体的にはPRの専門家が必要となる。信頼性、物語の一貫性、そしてブランドと今日のオーディエンスのニーズとの整合性は、人間中心のPR戦略を通じて最も効果的に見極められる。
人間中心のPRは反AIなのか?
「効率のためにAIを前面に出すか、真正性のために人間中心でいくか」という二者択一の罠に陥りがちである。だが、絶対論で動くことこそ、ブランドがつまずくポイントでもある。
人工知能は、人間の活動を支えるために人間がつくったものであり、置き換えるためのものではないことを忘れてはならない。いわゆる「AIが仕事を奪う」ように見えるのは、私たちが何時間もかけていたことを機械が数秒でやってのけるのを目の当たりにしたときの衝撃が大きいからだ。
しかし、こうしたツールをつくる目的は、最適化できる仕事の部分を最適化し、人間が最も重要な通貨である「時間」をより多く守れるようにすることにある。メディアリストの作成、下書きやアウトラインの作成、トレンド追跡、メディアモニタリングといった手作業のタスクを自動化すれば、相当な時間を節約できる。そうなれば、ブランドは別のアイデアを探ったり、指標について振り返ったり、あるいは記者や潜在的なパートナー、見込み客との現実の会話にじっくり時間をかけ、真に信頼関係を築いたりする余地が生まれる。
それは同時に、ブランドが「自分たちはブランドとして何者なのか」を見極めるために歩みを緩められることも意味する。ナラティブ構築には深い内省が必要であり、作るプロセスだけでなく、それがオーディエンスの中でどう展開していくのかを観察することも含まれる。
ナラティブ構築はPR戦略の中核であるべきだ。良質で誠実なストーリーがなければ、ブランドはオーディエンスと人間同士のつながりを築けず、その他のPR施策はすべて時間の浪費になってしまう。ブランドが自らのナラティブを深く掘り下げられるほど、長期的にはより良い結果につながると私は感じている。
人工知能がますます高度化していく現代において、人間は自らの役割を忘れず、尊重することが重要である。結局のところ、機械には依然として操縦者が必要だ。鍵となるのは、AIを最も賢明な方法で使うこと、すなわち、人間にしかできないことを行うためのツールとして用いることである。
人間中心のPRは凌駕されない
AI技術がどれほど速く発展しようとも、人間のスキルの価値が下がることはないと私は信じている。PRにおける人間らしさ、文化を注意深く観察すること、他のステークホルダーとの関係構築、オンラインとオフラインで育まれるつながりこそが、ブランドを動かす原動力となる。
信頼は最適化モデルで生成できない。数字やツールの仕事から示唆を得ることはできるが、最終的にブランドを際立たせるのは、関係性、判断、継続性、そして存在感である。



