ジョン・ショー(John E. Shaw)は退役した米宇宙軍中将で、宇宙工学技術者である。米宇宙コマンドの副司令官、また米宇宙軍宇宙作戦コマンド(Space Operations Command)の初代司令官を務めた。
1944年1月、英国内に駐留する米第8空軍の新司令官に就任したジェームズ・ドゥーリトル少将が、隷下部隊を視察していた際、壁に掲げられた標語を目にした。「第8空軍戦闘機の第1の任務は、爆撃機を生きて帰還させることだ」。
ドゥーリトルは、その標語を外すよう命じた。翌日までに掲げ替えられた新しい標語には、こう記されていた。「第8空軍戦闘機の第1の任務は、ドイツ戦闘機を破壊することだ」。
この小さな変更から、新たな戦略が生まれた。戦闘機は爆撃機を編隊で密接に護衛するのではなく、広範に展開してドイツ機と支援インフラを攻撃するようになった。爆撃支援から制空権へ──空という領域で広域機動によって敵に戦いを挑むこの転換は、ドイツの航空戦力を破壊へと導いた。ドゥーリトルは後に「戦争中に私が下した軍事的決断のうち、最も重要で、最も広範な影響を及ぼした」と評価している。
過去数十年にわたり、軍の宇宙分野の専門家にとっての「第1の任務」は、宇宙支援として宇宙の効果を地上の領域へ届けることだった。
その任務は、地球に比較的近い固定的で静的な軌道で運用される衛星(運用設計上のアプローチとして「陣地型宇宙作戦」[positional space operations]と呼ばれる)によって達成してきた。これは現在も米宇宙軍(U.S. Space Force)および米宇宙コマンド(U.S. Space Command。USSPACECOM)にとって重要で持続的な責務であり、最近の作戦でも見たとおり、現代戦において今後ますます重要になる。
しかし、宇宙における、そして宇宙からの敵対的脅威が増殖するにつれ、米宇宙軍と米宇宙コマンドの第1の任務は──ドゥーリトルの戦闘機と同様に──space support(宇宙支援)からspace superiority(宇宙優勢)へと移行し、その領域内で敵を抑止し打ち破ることに主眼を置くようになる。これは、ドゥーリトルの第8空軍戦闘機が制空権に執拗に集中したことが戦略爆撃とその後の地上作戦の広範な成功を最もよく可能にしたのと同様に、地上領域に対する重要な支援をより強化し、より堅牢なものにする。
この転換の初期の基盤要素は、宇宙軍指導者による最近の演説や、戦略文書からすでに見て取れる。直ちに続かなければならないのは、より困難な作業である。すなわち、この第1の任務を新たなドクトリン、戦術、作戦構想、戦闘要求、戦力設計と編成、そして平時から大規模紛争に至るまでの運用へと落とし込むことだ。
これは、従来の位置依存型の宇宙作戦アプローチから、より動的なアプローチへという同様に根本的なパラダイム転換なしには実現しない。その転換は最も適切に「宇宙機動戦」(space maneuver warfare)と表現できる。差し迫ったこのパラダイム転換が今後どのように展開していくのか、少なくとも5つの側面から見ていこう。
1. 米宇宙軍と米宇宙コマンドは、純粋な軍事目的を超えた宇宙優勢を追求
宇宙優勢は、宇宙における米国の国家的利益のすべてを保護し確保するための手段となる。
トランプ大統領が2025年12月に出した「米国の宇宙優勢を確保する」大統領令は、宇宙を中心とする米国の国家的利益の最大範囲を、注目すべき形で結び付けている。宇宙探査、経済、安全保障を、行動志向の枠組みの中で一体として扱った、同種の政府高位文書としては実に初めてのものである。
それは大統領令にすぎず、多くの作業(および適切な資源配分)が残るとはいえ、まだ存在しない米国の宇宙に関する大戦略へ向けた重要な第1歩である。そして軍事宇宙の観点から見れば、宇宙における米国の利益を守るという点で、米宇宙軍と米宇宙コマンドに対し、より広く、より厳しい基準を設定するものでもある。地上で最も明確な類推は、海洋領域における米海軍(U.S Navy)と米沿岸警備隊(U.S. Coast Guard)に与えられている広範な責任だ。戦闘の役割は明確に存在する一方で、海上商業の保護、航行上の危険や脅威の把握と軽減、遭難者の救助と退避など、さらに多くの任務が含まれる。



