危機感を抱いた同社はベテラン経営者を招聘し、巻き返しを狙っている。
ファッションの流は行やりほど難しいものはない―。2000年代半ばに一世を風ふう靡び した靴メーカー「クロックス」の経営陣はそう感じたことだろう。07年のピーク時には、街のいたるところに、穴の開いたサンダルを履く親子の姿が見られたものだ。実際、同年には売り上げが8億5,000万ドル(約1,060億円)を記録している。
ところが13年は、売り上げこそ12億ドルと伸びを見せたものの、利益率は前年比マイナス92%という惨さん憺たんたる結果だった。取締役の10人中9人が靴ビジネスの門外漢だった同社が、むやみに店舗数を増やし、新製品の開発でも流行のタイミングを見失ってしまったことが原因だ。
そこで14年、投資運用会社「ブラックストーン」が経営に参画。同社は今年の1月、靴小売り大手「コレクティブ・ブランズ」の最高経営責任者だったグレッグ・リバット(47)をクロックスのトップに据えた。
靴ビジネスに精通するリバットは採算性の低い店舗を閉鎖し、新製品の開発に着手するなど、迅速に手を打っている。16年は商品を50%も減らす予定だが、彼はクロックスの復活に自信を見せる。
「タイミングよく流行の商品を適正な価格でお届けできれば、必ず売れますよ」