「課題解決より、課題発見が大事」「良い問いが、良い答えを生む」この考え方に共感する、リアルな社会問題をいち早く知りたい方への連載「〇〇問題 – 日本NPOセンターが発見した今月の社会課題」。
著者の日本NPOセンターは、全国5万以上のNPOとのネットワークを生かし、現場の今の課題を常時収集しています。その課題に電通Bチームを中心としたコピーライターが、わかりやすく「〇〇問題」という形で名前をつけてリスト化してきた課題ラボの過去の活動のなかから、毎月ひとつにフォーカスしたコラムを掲載しています。
課題は現場にあり。解きたいと思った課題をみんなで解いていけば、きっと新しい社会が見えてくるはず。
どこで売られている? 知らないのに買っているワケ
日本で障害がある人の割合は11人に1人、その数は全国で約1160万人に上ります(2022年末時点。厚労省調べ)。障害とひと口に言っても、その程度や種類はさまざま。障害者の中には、企業や公的機関で働いている人もいます。しかし、それが難しい人々は普段、「どこでどんな風に働いて、生活しているのだろう?」と、疑問に思ったことはありませんか。
日本には、障害者が働くことを支援する事業所があります。その数、約2万件(令和5年度、厚労省)。実は、コンビニのセブンイレブンの店舗数(約2万1800)と同じくらい多く全国に存在するのです。読者の皆さんが住む町にもきっと、「就労継続支援事業所」や「福祉作業所」などという名前がついた就労支援施設があるはずです。
そこではITから食品や雑貨の製造、アートまで、幅広い事業が展開され、さまざまな製品が生み出されています。でも、それが一体どこで売られているのか、ご存じの方はそう多くないでしょう。
実は、障害者のつくった製品は一般消費者向け、企業向けなどさまざまな形で流通していて、私たちは知らず知らずのうちに触れたり、購入したりしています。例えば、道の駅や高速道路のサービスエリア、スーパーや百貨店などの商業施設で売られている野菜やお菓子、工芸品などです。そうした製品に、製造者として福祉施設の名前が書かれたラベルが貼られているのを見たことがありませんか。それが、就労支援施設でつくられた製品です。
障害者のつくる商品が普及した背景には、全国の就労支援施設と企業、行政をマッチングし、就労支援施設が企業や行政から製品の製造や作業を請け負う支援をするNPOの存在があります。そのひとつ、NPO法人日本セルプセンター(詳細はSELP WORKSをご覧ください)事務局長の小林克彦さんはこう話します。
「障害者の中には、健常者が諦めてしまいたくなるような細やかな作業も、忍耐強く丁寧にこなす方がいます。私たちは、障害の程度や種類に合わせた作業を開発し、品質を向上させています。さらに、消費者のニーズに合った新しい商品やサービスも生み出しています。全国にある就労支援施設でのものづくりは、地場産品などの新しい価値発見や地域の魅力創造にもつながっています」



