経済・社会

2026.04.13 13:15

実はあなたも気付かず買っている、「障害者のつくる製品が世間で知られていない」問題

(写真提供:社会福祉法人 こうよう会 多機能型事業所 ジャンプ)

「見えない境界線」を取り払え

そうした有名な製品も、そうでない製品も、私たちの身の回りには、障害のある人々が手掛けた製品がたくさんあります。しかし多くの場合、それらの製品が誰につくられたか、公表されることがないため、私たち健常者はその存在を知らずにいます。なぜでしょうか。

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背景には、製品自体が十分な品質を保っているにもかかわらず、障害のある人々がその生産や製造に関わっていることを打ち出すことで、消費者に製品価値への疑念が生まれるかもしれないという、就労支援施設側や企業側の懸念が推測されます。あるいは、商品のターゲットが「福祉に関心のある消費者」のみに狭まってしまうことを、避けたいのかもしれません。

もちろん、障害がある人々をさらすようなPRはすべきではないですが、就労支援施設側や企業側が、そうした商品を通じた障害がある人とない人とのつながりをストーリーとして発信していくことは、世間の理解と関心を得ていくために大切だと考えます。

一方で健常者はまず、障害者のつくった製品について知ることから始める必要があります。接点があまりないと、障害がない人は障害がある人を、無意識に「自分とは違う世界の人」だと区別しがちです。そして、見えない境界線を作り、無関心になってしまいかねません。

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次に道の駅やサービスエリアを訪れたら、障害のある人がつくった製品を探してみてください。そして商品を手にとって、障害のある人々がそれをどんな風に、どんな気持ちで作ったのか、想像してみてください。彼、彼女らをぐっと身近に感じられることでしょう。

その小さな変化が境界線を取り払い、インクルーシブな社会の実現に向けた確実な一歩となるはずです。 

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文=三本 裕子(特定非営利活動法人 日本NPOセンター)

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