選ばれる理由は、善意より「品質」
もしかしたら「応援のために、障害者がつくった製品を買おう」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、全国にはすでに高い評価と人気を獲得しているものや、品薄状態の商品もあります。
例えば、北海道上川郡にあるNPO法人共働学舎が運営する新得(しんとく)農場のチーズ。2004年スイスで開催された山のチーズオリンピックで最高賞受賞。最近では2025年12月に、スイスのベルンで開催された世界最大規模のコンテスト「ワールドチーズアワード」で見事銅賞に輝き、全国から注文が相次いでいます。同農場では、社会で居場所を見つけられない人、心身に重い妨げのある人々が共同生活を送りながら、チーズ生産に従事しています。
栃木県足利市にあるココ・ファーム・ワイナリーは、1950年代に特殊学級(現在の支援学級)の中学生と教師によって開墾された葡萄畑がきっかけで、ワインの製造を始めました。社会福祉法人こころみる会が支援する知的障害のある人々と共に生産するワインは、サミットなどの国際会議や国際線ファーストクラスなどで振る舞われ、国内外から高い評価を受けています。
食品以外では、エイブルアート・カンパニー(※)が、障害のあるアーティストの作品を広告やパッケージデザインに使える仕組みを構築。作品の使用に応じて、アーティストに著作権使用料を支払うことで、持続的な創作活動を支援しています。2025年10月、東京都にオープンした「TOYOTA ARENA TOKYO」では、屋外サインに契約アーティストの作品が採用されるなど、その取り組みは全国に広がっています。日常の中で、私たちが障害のあるアーティストの作品に触れられる機会が増えています。
※ エイブルアート・カンパニーは、アートと社会の新しい関係をつくる「エイブル・アート・ムーブメント(可能性の芸術運動)」の考え方をもとに、3つの組織(一般財団法人たんぽぽの家、NPO法人エイブル・アート・ジャパン、NPO法人まる)により運営されています。


