世の中は今、テクノロジーバブルの真っ只中で、バブル崩壊に向かっているのだろうか?
フォーブスが独自の分析を行った結果、その答は「ノー」だ。世界には未上場ながら企業価値が10億ドル(約1,200億円)を超えるユニコーン企業が140社も存在し、これらの一部は過剰に評価されているかもしれない。
しかし、ほとんどのユニコーンには優れたビジネスモデルがあり、バランスシートは健全だ。ここでは電子商取引や人事管理、ビジネス・インテリジェンス、顧客サービス等のB2B分野で、業界を根本から変えつつあるユニコーン企業4社を下記に紹介する。
ストライプ
企業価値:50億ドル(約6,000億円)※2015年7月時点
CEO:Patrick Collison/創業:2010年
ストライプは営業とマーケティングを合わせて約20名という小所帯ながら、毎年数十億ドルもの決済をサポートをしている。顧客には、ライドシェア企業のリフトや、キックスターター、ツイッターの他、セールスフォースのような大手も名を連ねる。また、ストライプのシステムは、アップルペイやアリペイにも活用されている。「決済サービスの市場規模は非常に大きい」とCEOのCollisonは話す。「ほとんどの企業は何かしらの方法でオンライン決済を行っている。驚くべきは企業価値でははく、これだけ大きな規模の事業をこれほど早く築くことができたということだ」
ゼネフィッツ
企業価値:45億ドル(約5,400億円)※2015年5月時点
CEO:Parker Conrad/創業:2013年
ゼネフィッツは、フリーミアムモデルで人事管理ソフトウェア業界を席巻している。企業に対し、社員の福利厚生を簡単に管理できるサービスを無料で提供する。現状、同社の収益の大半を占めるのは、保険会社からの販売手数料だが、他にも給与計算や通勤手当、年金、ストックオプションなどの付帯サービスを提供する企業からも手数料を得ている。ゼネフィッツによって、全米の中小企業に向けの健康保険や人事ビジネスが急速に変化している。エクスペディアやトラベロシティが旅行代理店に取って代わった様に、ゼネフィッツは従来の企業保険ブローカーに取って代わろうとしている。登録企業は全米10,000社を超える。
「我々は、企業が従業員情報を記録する役割を担い、企業運営に不可欠なオペレーティング・システムとなることが目標だ」とParker Conradは話す。
Domo
企業価値:20億ドル(約2,400億円)※2015年4月時点
CEO:Josh James/創業:2010年
Josh Jamesは彼にとって最初のユニコーン企業、オムニチュアを1996年に創業。2006年に会社を上場させると、その三年後に18億ドルでアドビに売却した。クラウド型のビジネス管理プラットフォームを提供するDomoの顧客は、同社が提供する各種指標を厳格に精査している。「人々は、我々のビジネスモデルをわかっている」とJamesは話す。2012年の創業以来、Domoは倍々ゲームで成長し、2016年には売上高が1億ドル(約120億円)を突破する見込みだ。顧客にはGEや日産、マスターカードなどが含まれる。Domoはこれまでに投資家から4億5,000万ドル(約540億円)以上を調達している。
メダリア
企業価値:12億5,000万ドル(約1,500億円)※2015年7月時点
CEO:BorgeHald、プレジデント:Amy Pressman/創業:2001年
14年前に創業したメダリアは、一夜にして成功を収めた後、ドットコムバブルと信用バブルという二つのバブルの崩壊を乗り切った。CRM企業は数多く存在するが、メダリアが支援するのは、顧客体験の向上だ。同社は企業に対しソーシャルメディアツールなど、ユーザーの生の声や考えを把握するための顧客体験管理システムを提供している。
ヒルトンホテルは、宿泊客が新しいマットレスを気に入ったか知ることができ、デルタ航空は飛行機の遅延時に、乗客たちのツイートから彼らの不満を把握することができる。500社以上がメダリアのツールに信頼を置いており、各社の年間契約金額は数百万ドルに達する。セコイア・キャピタルのパートナーであるDoug Leoneは、2011年にメダリアのオフィスに押しかけて契約条件を詰めた。メダリアはこれまでに2億5,000万ドル(約300億円)以上を調達しており、その大半をセコイア・キャピタルが出資している。