欧州

2026.04.08 07:00

爆薬仕込んだインソール、ウクライナがロシア軍部隊に送る 支援物資の「武器化」が生む疑心

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ウクライナの常套手段

ロシア軍人が有用な装備に隠された爆発物の脅威にさらされたとされる事例は、今回が初めてではない。2025年初めには、ロシア軍のドローン操縦士を狙って似たような手法が用いられたことが報じられている。ウクライナメディアのバベリがウクライナ特務機関筋の話を基に伝えたところでは、FPV(一人称視点)ドローン用ゴーグルに小型の爆薬が仕込まれ、支援物資としてロシア軍のドローン部隊に送られたという。これも使われた爆薬は少量だったが、至近距離から相手に重傷を負わせるには十分だった。

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最近の別の事例では、ロシアの軍事ブロガーであるプラトン・ママトフが今年2月24日にテレグラムで報告したものがある。それによると、ロシア軍のある支援部隊は「人道支援」として光学機器付きのドローン用スプールを無償で受け取った。その内部にプラスチック爆薬と起爆装置が隠されていて、「ドローンを点検中に2人が死亡した」という。

欺瞞を駆使するこうした手法は、ウクライナ情報機関の常套手段と言える。より古い事例を挙げると、ウクライナの情報機関は2015年12月、自称「ルガンスク人民共和国」の指揮官パベル・ドレモフをこうした手法で狙った。ドレモフがレンジローバーに関心を持っていることを把握したうえで、爆発物を仕掛けた車を仲介者を通じて届け、遠隔操作で爆破したと伝えられる。

全体としてみると、各事例は単発の企てではなく、一貫した手法にのっとっているという事実が浮かび上がる。厳重な検査を受けず、非公式の補給網を通過しやすい実用品に、小型の爆発装置を仕込むという手法である。

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ロシア側にとっては、問題は送り込まれる爆発物それ自体だけでなく、それが送り込まれる方法にもある。ボランティアによる支援ネットワークが重宝されるのは、非公式のルートだからこそ部隊側に迅速に物資を送り届けることができるからだ。だが、この強みは侵入を許す弱点にもなる。統制を強化すればネットワークの安全性を高められるかもしれないが、その分、時間がかかるようになり、効率性も下がることになる。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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