ロシア当局によると、押収された貨物はポーランドからベラルーシ経由で送られていた。ロシア国営のタス通信はFSBの話として、加熱式インソールに偽装された即席爆発装置(IED)504個を含む荷物をモスクワで外国籍の人物が受け取ったと報じている。これらは人道支援物資としてロシア軍部隊に届けられる予定だったという。各装置にはTNT換算1.5g相当の爆薬が含まれ、電源に接続されると起爆する仕組みになっていた。
ウクライナ側の情報筋はミリタルニーに、ロシア当局に阻止された貨物は送り込まれた物の「ごく一部」にすぎないと主張している。もしそうだとすれば、これは物理的な効果と同じくらい、心理的な効果を狙った作戦なのかもしれない。部隊側は、寄付された装備や電子機器、衣類、あるいは慰問品にまで爆発物が仕掛けられているかもしれないといったん疑い始めれば、送られてくる物資がことごとく疑わしくなってくるからだ。
ちなみにミリタルニーは、押収されたインソールは502枚だったとしており、ロシア側の「504」という数字とやや食い違っている。
この種の破壊工作は大規模に展開するのが難しいが、そうする必要もないのかもしれない。こうした事例が少数あっただけでも、ロシア軍部隊はボランティアからの支援物資の検査をより厳重に行わざるを得なくなり、配送の遅延や、もともとむらのある補給網での新たな摩擦につながる可能性があるからだ。
ロシア側による予防対策も難渋するかもしれない。欧州政策分析センター(CEPA)のアンドレイ・ソルダトフ上級研究員は2024年12月、英紙フィナンシャル・タイムズに、FSBは「すでに起こったことを調査するのは非常に得意ですが、これから起こることに関する情報収集はあまり得意ではありません」と述べている。そうした情報収集に求められるのは「信頼関係やきちんとした情報共有ですが、これらはロシアの機関の間にはみられないものです」とも指摘している。
ロシア軍は補給の穴を埋めるために、有志の団体や慈善の寄付に大きく依存してきた。だが、この依存関係もまた隙を生む。そして、そこからこの補給網に侵入を許せば、より広範な補給体制への信頼の低下を招く。


