最近報じられたある作戦は、ウクライナが前線から離れた場所でロシア軍を混乱させる低コストの手法を新たに見つけた可能性を示している。加熱式のインソール(靴の中敷き)に小型の爆薬を仕込み、それをロシア側のボランティアの支援ルートを使って送り込むという手法である。
ウクライナの軍事メディアであるミリタルニーによると、ウクライナの特務機関の工作員が、爆薬を仕込んだ加熱式インソールをロシア軍部隊向け貨物に紛れ込ませた。これらはロシア側のボランティアや慈善団体の協力を得て運ばれたため、普通の人道支援物資として通っていたという。
地政学リスク分析会社インサイト・フォワードのトレストン・ウィート最高地政学責任者は筆者の取材に、こうした破壊工作が効果的なのは、軍の補給網に潜む弱点を突きつつ、ターゲット側に対して、ごく一般的な補給品も潜在的な脅威として扱うことを強いるからだと解説した。
各インソールにはTNT火薬換算で1.5gの爆薬が含まれていたとされる。この爆薬量は戦場の基準からすれば微量であり、もちろん車両のような装備や掩蔽壕などを破壊することはできない。だが、これはそうしたことを目的とするものではない。一方、微量の爆薬であっても、足に接触するほどの至近距離からであれば人に重傷を引き起こし得る。
さらに言えば、この「兵器」の価値は爆発力ではなく、むしろその送り込まれ方にある。部隊側が支援物資を信用できなくなれば、補給網自体に広く影響が及ぶ可能性があるからだ。
補給網の武器化
ミリタルニーは、爆弾インソールの最初の送り込みは3月上旬に行われ、総数は数万点にのぼると伝えている。ただ、この数字について独立した検証は不可能だ。事実だとすれば、これは単発の大胆な作戦などではなく、ロシア側のボランティア主導の補給網に対する信頼を損なうことを目的とした意図的な試みであることを示唆する。
このスキームは、関与者のひとりの不手際で一端が露見したとされる。ミリタルニーによれば、ウクライナの工作員は少なくとも1人の関与者を「事情を知らない状態」で利用していたという。つまり、この人物は自分が運んでいる荷物がどういうものか知らなかった可能性がある。この人物のしくじりがきっかけで、ロシア連邦保安庁(FSB)による一部の貨物の特定につながったという。



