先日、フォーブスが公開した「世界で最も稼ぐユーチューバー(YouTube Stars)」ランキング1位に輝いたのは、スウェーデンのピューディパイ(PewDiePie)。その年収は1200万ドル(約14億円)に達するが「ユーチューブ最大のスター」である彼は出版活動にも意欲を示し、間もなく初の著書『This Book Loves You』が発売される予定だ。
メイクアップの手ほどきをする動画でミリオネアになったミシェル・ファン(年収300万ドル/約3億6,000万円)も2014年に著書『Make Up: Your Life Guide To Beauty, Style and Success, Online and Off』発売。しかし、その売れ行きは現在までに約4万部足らずで、ネットでの知名度に比較するとやや物足りない数字かもしれない。
その一方、出版業界でも活躍するユーチューバーと言えるのが、コナー・フランタ。今年23歳の彼は1千万再生を超えた動画「イギリスvsアメリカ、どう違う?(British Vs. American: How We Do It)」などで知られ、恋愛を発展させる術をユーモアを交えて紹介する。彼は自伝『A Work In Progress』を出版し、既に14万部以上を売り上げた。224ページに及ぶ自伝を1年かけて執筆した彼は「自分が作家になるとは夢にも思わなかったよ」と、ロイターの取材で語った。
米国では年間約27億冊の書籍が販売される中で、ユーチューバーが占める割合は微々たるものだが、新たな販路を開拓する出版業界において、その存在感は高まりつつある。ソーシャルメディアで圧倒的な支持を受ける彼らは、マーケティングの上で優位に立てる存在だ。何百万ものファンが本の情報をシェアすれば、出版社側は大幅に広告費を抑えることができる。
有名ユーチューバーのうち、2015年に入って少なくとも20名が本を出版しているとロイターは報じており、出版社らはますます多くのYouTubeのスターらが出版業界に進出すると見ている。