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2026.04.07 08:30

トランプ要求の国防予算238.5兆円、史上最大だがイランのドローンは防げない

ドナルド・トランプ米大統領は2025年5月20日、国家弾道ミサイル・巡航ミサイル防衛システム「ゴールデンドーム」計画を発表した。ホワイトハウスの大統領執務室において、ピート・ヘグセス国防長官とともに演説した(Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

ドナルド・トランプ米大統領は2025年5月20日、国家弾道ミサイル・巡航ミサイル防衛システム「ゴールデンドーム」計画を発表した。ホワイトハウスの大統領執務室において、ピート・ヘグセス国防長官とともに演説した(Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

ドナルド・トランプ米大統領は、国防総省の予算として過去最大となる1兆5000億ドル(約238.5兆円。1ドル=159円換算)を要求した。これは2026年度の水準を約4450億ドル(約70.8兆円)上回る規模である。政権は、イランとの戦争やその他の増大する世界的な安全保障上の課題に対処するため、40%の増額が必要だと主張している。この予算案はインフレ調整後で米国史上最大となり、第二次世界大戦時の支出をも上回る。

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この予算案の中核にあるのは、大規模な戦略的防衛システムへの新たな重点投資である。資金配分の詳細は明らかにされていないが、報道によると、国防総省の防衛戦略の中心的柱となるのは、1850億ドル(約29.4兆円)の費用が見込まれるミサイル防衛システム「ゴールデンドーム」である。この計画は批判を浴びており、400億ドル(約6.4兆円)を費やした末に1990年に中止されたロナルド・レーガン大統領の戦略防衛構想(SDI)の失敗と比較されている。さらに、ゴールデンドームは米国が直面する喫緊の脅威にはほとんど対処できない。ブースト段階迎撃システムなど、計画の多くの要素はまだ実験段階にあり、近い将来に実戦配備できる保証はないからだ。

ミサイル防衛に加え、この予算は従来型の海軍力と航空戦力も優先している。国防総省は造船費として658億ドル(約10.5兆円)を要求しており、トランプ大統領はゴールデンフリート構想のもとで複数の新型艦艇の建造を推進している。また、F-35戦闘機85機の取得も要求されており、1機あたりの平均取得価格は8250万ドル(約131億円)である。さらに、潜水艦とミサイル駆逐艦にそれぞれ50億ドル(約7950億円)が充てられる予定だ。

現代の戦争はドローンが支配しているが、米国は依然として高価なプラットフォームを優先

これはトランプ政権の戦略に関する根本的な疑問を提起する。トランプ大統領は、この記録的な国防支出について「我々は戦争中だ」から必要だと主張しているが、この戦略は、より手頃で拡張性があり破壊力のある兵器を犠牲にして、高価で脆弱なプラットフォームに過剰投資するリスクをはらんでいる。

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現代の戦争がドローンに支配されていることは疑いようがなく、ドローンはあらゆる標的に対して常に脅威を与え続けている。確かに米国はドローンに投資してきたが、依然として1歩遅れをとっている。2025年、海軍がカリフォルニア沖で自律型ドローン艇のテストを行った際、ソフトウェアの問題とヒューマンエラーにより、艇が停止したり衝突したりする事態が発生した。

ゴールデンドームは、大陸間弾道ミサイル、極超音速滑空体、高性能巡航ミサイルといったハイエンドの戦略的脅威には対処できるものの、低コストのドローンによる集中的かつ近接した群れ(スウォーム)攻撃には脆弱である。

2023年に任命され、最近解任された陸軍参謀総長のランディ・ジョージ大将は、安価なドローンの調達を推進していた。現在の予算案も対ドローン対策に30億ドル(約4770億円)以上を計上しているが、ドローン戦が国防総省の最優先事項なのかは明確ではない。ドローン計画が拡大しているとはいえ、海軍ドローンの予算要求額1億7200万ドル(約273億円)は、海軍調達費全体の630億ドル(約10.2兆円)と比較すると微々たるものだ。

ドローン対策の技術的課題は、米国の戦略の矛盾をさらに浮き彫りにしている。ドローンは非常に低空を飛行し、建物の間を縫うような飛行経路をとることができる。金属製ではないため、レーダー反射が小さく、検知がより困難になる。さらに、レーダーシステムは高速ミサイルの探知用に調整されているため、ドローンは鳥や航空機と誤認されることがある。

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