北米

2026.04.07 13:00

トランプとの暗号資産事業とマスクのSpaceXが原動力──和平特使ウィトコフ、1年で純資産約500億円増

スティーブ・ウィトコフ(Photo by Andrew Harnik/Getty Images)

WLFトークン販売とUAE王族への持分売却が、ウィトコフの純資産を約445億円押し上げ

しかしウィトコフ個人としては、極めて収益性の高い年だった。マイアミやモスクワからイスラエル、オマーンまで世界を飛び回る一方で、純資産は15%増の23億ドル(約3657億円。1ドル=159円換算)に跳ね上がった。政府で働き始めた当時の推定20億ドル(約3180億円)からの増加である。主因は、暗号資産企業WLFへの投資だ。同社は、ウィトコフの息子であるザックとアレックスが、トランプの息子ドン・ジュニア、エリック、バロンと共同創業した。Forbesは、ウィトコフ家が$WLFI暗号資産トークンの販売で1億3000万ドル(約207億円)を手にしたと推計している。

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ウィトコフと息子たちは、UAE王族であるタヌーン・ビン・ザイード・アル・ナヒヤーンに支援される投資会社アリヤム・インベストメントに、WLFの持ち分の約半分を売却し、推定4800万ドル(約76億円、税引後)を得た。これはウォール・ストリート・ジャーナルが最初に報じた取引である。ウィトコフの代理人は、資産額に関するコメント要請に応じなかった。

この売却により、同社のステーブルコイン事業(国債に裏付けられた米ドルのデジタル版「USD1」を発行)におけるウィトコフの持ち分は、推定6.4%となった。Forbesは、実物資産に裏付けられ一定の価値を保つ暗号資産であるステーブルコインの同業他社を比較し、この持ち分の価値を約6000万ドル(約95億円)と評価している。ウィトコフと息子たちは、WLFのトークン約3億7500万枚も保有している。Forbesはロックアップ中であることを踏まえて割り引いて評価し、その価値は約4200万ドル(約67億円)となる。合計すると、ウィトコフの暗号資産投資は純資産を約2億8000万ドル(約445億円)押し上げた。

Xへの約159億円の出資が、SpaceXとの統合後に約334億円へと成長

この暗号資産での成功は、トランプの足跡をなぞるものでもある。トランプの暗号資産は、現在、純資産62億ドル(約9858億円)のおよそ3分の1を占める。だがウィトコフは、2022年10月に行ったタイミングの良い投資からも利益を得た。イーロン・マスクによるTwitter(現X)の非公開化に1億ドル(約159億円)を投じたのである。これにより、当時、負債控除後で310億ドル(約4.9兆円)と評価されていた同社の持ち分推定0.3%を得た。

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その後、Xは2025年3月にマスクの人工知能スタートアップxAIと、2026年2月にはロケット企業SpaceXと統合し、統合後企業の評価額は1兆2500億ドル(約198.8兆円)となった。Forbesは、ウィトコフの持ち分がごく小さな0.017%まで希薄化したと推計しており、現在の価値は約2億1000万ドル(約334億円)だ。つまりウィトコフはすでに投資額を倍増させたことになる。SpaceXが年内に株式公開(IPO)する見通しであることから、その価値は増す可能性がある。報道によれば、マスクはSpaceXのIPOで2兆ドル(約318兆円)超の評価額を狙っており、現在の評価額に対して60%の上乗せとなる。

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