働き方

2026.04.08 14:00

生産性は上がっても「つながり」は薄れる──AI時代のエンゲージメント危機

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ギャラップによると、従業員エンゲージメントは2020年のピークから低下し、熱意をもって働く従業員がおよそ800万人減った。同時にAIは、仕事の進め方を急速に変えつつあり、タスクをより速く、より明確に、より効率的にしている。

しかし、その成果はより深い変化を覆い隠している可能性がある。生産性が上がる一方で、多くの従業員は時間の経過とともに、つながりの希薄化、支援の不足、コミットメントの低下を感じている。Resume Geniusが公表した新たな「2026 Employee Engagement Report」は、この変化を起こすす5つの力として「AIの利用」「マネジメントの支援」「経済的な圧力」「柔軟性」「メンタルヘルス」を挙げている。

これらを合わせて見ると、現実はより複雑だ。エンゲージメントは単に下がっているのではない。分断されつつあるのだ。多くの組織で、パフォーマンスと感情的なつながりが別々の方向に動き始めている。従業員はより多くを生み出し、より速く動く一方で、仕事や周囲の人々への関与は薄れている。

AIがもたらすエンゲージメントのパラドックス

AIを頻繁に使う労働者は、自身の仕事にエンゲージしていると答える可能性が大幅に高い。一方で、職場とのつながりを感じる可能性は低い。AIの頻繁な利用者は、完全にエンゲージしている割合が約3倍に上るが、仕事とのつながりを感じていると答える人はごく一部にとどまる。

その乖離は行動にも表れ始めている。新たな役割を積極的に探していると答えるAI利用者が増えており、生産性が高まっても、必ずしも忠誠心の強化にはつながらないことを示唆する。ここに新たな分断が生まれている。従業員は自分の能力や生産性の向上を感じる一方で、所属する組織への感情的な結びつきは弱まっている。その緊張関係は、すでに従業員の「働く体験」に現れている。

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