働き方

2026.04.08 14:00

生産性は上がっても「つながり」は薄れる──AI時代のエンゲージメント危機

stock.adobe.com

一部の人にとって、仕事はアイデンティティや目的の源ではなく、目的達成のための手段となる。従業員はとどまり続けても、その忠誠心はより条件付きとなり、長期的な整合性ではなく、報酬、福利厚生、雇用の安定に左右される。この変化は微妙だが重要である。組織は人数が安定しているのを見てエンゲージメントも保たれていると考えがちだが、実際には従業員は実務的な理由で残りつつ、別の機会にも開かれたままだ。

advertisement

マネジメントの支援が低下している

同時に、エンゲージメントの最も強い推進要因の1つが弱まっている。求められていることを理解している、職場で大切にされている、毎日自分の強みを生かせる機会がある、という項目に強く同意する従業員が減っている。

こうした変化は小さな積み重ねに見えるかもしれないが、影響は大きい。明確さ、承認、支援はエンゲージメントの土台である。それが崩れ始めると、従業員は言語化できなくても、すぐに違和感として受け取ることが多い。

結果は数値として測れる。エンゲージメントの高い職場は欠勤が大幅に少なく、収益性が高い。強いマネジメントがいかに重要かを示している。期待が増す一方で支援が減れば、従業員は職場環境からの疎外感を強めていく可能性がある。多くの場合、管理職自身も圧力下にある。急速な変化の中でのリード、分散したチームのマネジメント、新たなテクノロジーへの適応を求められながら、追加の研修や支援を得られないことも少なくない。その負荷が、従業員に必要な一貫性と明確さを提供することを難しくしている。

advertisement

現在ほど管理職が重要な理由

エンゲージメントが脆弱になるにつれ、管理職の役割は小さくなるどころか、より重要になっている。AIは成果を高められても、明確さや信頼、人間的なつながりを置き換えることはできない。急速な変化に形づくられる職場で、従業員は方向性、フィードバック、安定を管理職に求めている。

管理職は、効率と体験の間に立つ「橋」としての役割を増している。組織の変化を日々の期待に落とし込み、変化する優先順位の文脈を示し、取引的になりがちな環境の中に「つながりの余白」をつくる。より良い研修、より明確な期待、より手厚い支援を通じて管理職の能力強化に投資する組織は、長期的にエンゲージメントを維持できる可能性が高い。そうしない組織は、表面上は高い成果を出しながら、内側ではますます切り離されていく労働力を生み出すリスクを抱える。

forbes.com 原文

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事