デジタル人材の不足が叫ばれる日本。だが企業は本当に、相応しいスキルをもった人材を採用の照準に入れられているだろうか。
発達障害がある人たちが、企業や組織で活躍していく「ニューロダイバーシティ」について発信していく連載。第二回の本稿では、発達障害がある人がもつ強みに光を当て、企業がデジタル人材採用の可能性を広げていく道を探る。
85%が実感、米・独より深刻な日本のDX人材不足
日本企業におけるDXの進捗は芳しくない。情報処理推進機構(IPA)が、日米独3カ国の企業2579社を対象に実施した「DX動向2025」によると、2024年度「DXの成果が出ている」と答えた企業の割合は、米国(87%)とドイツ(81.7%)でいずれも8割を上回ったのに対し、日本では6割を下回った(57.8%)。
DXの取り組み成果
その理由のひとつとして、DX推進人材の不足が考えられる。2024年度、同人材が不足していると回答した企業の割合は、米国で23.8%、ドイツで44.6%であるのに対し、日本企業では両国を大きく上回る85.1%となった。これは、産業を問わない傾向である。
DX推進人材の「量」の確保(経年変化・国別)
DX推進人材には様々な職種があるが、特に不足が深刻なのは、昨今、世間を騒がせているサイバー攻撃を防ぐ要となる、サイバーセキュリティ人材だ。世界最大のサイバーセキュリティ専門家向け会員組織「ISC2」による2023年版「サイバーセキュリティ人材調査」では、日本では約11万人ものサイバーセキュリティ人材が不足していることが明らかになっている。同団体による2025年の発表でも「必要な人材を確保できない」と回答した日本のサイバーセキュリティ従事者の割合は42%に達し(世界29%)、依然、状況は改善されていない。
また、経営に必要なデータ分析の専門家(データサイエンティスト)も相当に不足している。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、同職種の2024年度有効求人倍率は11.88と極めて高い(全職種平均1.25倍)。人口減少、とりわけ生産年齢人口の減少が著しい日本において、この大きな需給ギャップを埋めるにはどうしたらよいか。筆者は、人口の1割を占めるとも言われる発達障害がある人の活躍可能性に、目を向けることが欠かせないと考える。



