SMALL GIANTS

2026.04.07 14:15

超難関B Corpを突破!「従業員に愛される」日本の会社

審査員として見た「LOVED COMPANY賞」との共鳴

木村は、Forbes JAPAN SMALL GIANTS AWARD 2025-2026において、新設された「LOVED COMPANY賞」の審査員を務めた。この賞は、まさに社員、顧客、地域、パートナーといったあらゆるステークホルダーから愛され、必要とされる「人的資本経営」を実践する企業を顕彰するものだ。

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「愛される会社を目指す上で、一番身近な社員から愛されていない会社が、外部から愛されるはずがない。それは本末転倒です」と木村は断言する。

この考え方は、B Corpの精神とも深く共鳴している。木村がB Corp認証を通じて探求したのは、単に「儲かっているビジネスモデル」ではなく、人の可能性を解き放つことで、事業の壁を突破している会社の姿だった。

木村は、ビジネスモデルの優劣よりも、そこで働く人間が生き生きと可能性を発揮しているかどうかに、企業の真の強さを見出している。同社が実践する「自己申告型の給与制度」は、すでに他企業数社ががロールモデルとして取り入れ始めており、第1回「LOVED COMPANY賞」受賞企業の側島製罐もその1社である。

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あるスーパーマーケットの経営者は、「従業員の可能性にかけることで、苦しい状況を切り抜けたい」と相談に訪れた。これこそが、木村の目指す「見本」の在り方だ。

「都会の洗練されたビジネスモデルでなくても、地方で、古い産業の中で、社員が楽しそうに働き、しっかりと生き残っている。そんな会社が増えれば、社会はもっと良くなるはずだ」。
LOVED COMPANY賞に選ばれるような企業がロールモデルとなり、経営者が「人に向き合うこと」に自信を持って投資できる環境を作ること。それが、地域社会全体の底上げにつながると信じているのである。

「愛される存在」であり続けるための次の100年

B Corp認証を取得して以降、木村石鹸の社内には目に見える変化が起きている。商品開発の現場で、社員たちから「この原料の調達は、アニマルウェルフェアの観点で大丈夫か」「地元の業者から調達することで、CO2排出量を抑えられないか」といった声が自然と上がるようになったのだ。経営者が号令をかけるのではなく、社員自らが「B Corp企業としての誇り」を持って、より良い在り方をチェックし合う文化が芽生え始めている。

一方で、日本におけるB Corpの認知度はまだ低いのが現実だ。特に、費用対効果を重視する経営者からは「苦労して取得してもメリットはあるのか」と問われることも多い 。しかし、木村の答えは明快だ。「費用対効果で判断するような考え方では、おそらくこの認証は取れません」。

B Corpはあくまで、自分たちが目指す「いい会社」の現在地を確認するためのマイルストーンに過ぎないからだ。

「B Corpだからいい、という話ではないんです。大切なのは、自分たちが活動する地域やパートナー、そして従業員といったマルチステークホルダーに対して、なくてはならない存在になっていくこと。それこそが、企業が生き残るための唯一の道だと思っています」。


Forbes JAPAN SMALL GIANTS AWARD 2025-2026
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文 = 皆川睦美

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