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2026.04.07 11:30

「MBA履修内容はAI時代のニーズ満たさず」と米国学生の6割が回答、本当に必要なカリキュラムとは?

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米国内のビジネススクールはもはや存在しない世界のために未来のリーダーを育成している。

従来のエリート育成の王道であるMBA(経営学修士)は起業を目指す人、プログラムやプロジェクトのリーダー、中間管理職・ディレクター、経営層にとって成功するための絶対的な基準だった。これらのプログラムはプロフェッショナルが将来の働き方に備え、リードできるよう設計されている。

しかし、データは異なる現実を示している。

現在、10社中9社が人工知能(AI)を導入しており、多くの企業が従業員(特にリーダー層)にAIの活用を求めているにもかかわらず、MBA学生の大多数はAIが修士課程で不可欠な要素というより、どちらかと言えばついでに付け加えられたものだと考えていることが米アーカンソー州立大学の新たな調査で明らかになった。

約150人(MBAコースを取っている学生および修了者)を対象に行われたこの調査の主な結果は以下の通りだ。

・コースを取っている学生の半分強(53%)が自分の仕事に直接役立つと感じている
・AI活用のツールやワークフローを使ってチームを率いる自信が「非常にある」と答えた人は40%にとどまり、残りの60%は依然として不安を感じている
・約62%の人がMBAプログラムではAIを使いこなす「AI流暢性」が十分に扱われていないと回答
・約46%がAIリテラシーとガバナンスをMBAカリキュラムに組み込むべきだと考えている
・61%の人が将来のビジネスリーダーにとって最も重要なスキルは「適応力」だと回答。これは世界経済フォーラムの調査結果とも一致しており、筆者が経営者との話で聞いてきた内容とも合致している。

さらに懸念すべき点として、アーカンソー州立大学はMBAの授業で開発されるトップスキルと、これらの修士課程で十分に扱われていないスキルを比較した表を作成している。

MBAで教えられていないトップAIスキル

表ではチームの統率、利害関係者(ステークホルダー)間の調整、部門横断的なコラボ、応用データリテラシーといったスキルは教えられている一方で、現代の働き方を形作り、雇用主が一貫して将来の「中核スキル」と指摘している以下のものに関しては全く十分扱われていないことが示されている。

・AI流暢性
・自動化(AI)戦略
・データストーリーテリング
・デジタルトランスフォーメーション
・テクノロジーにおける倫理的なリーダーシップ
・シナリオプランニング(筆者は最近のForbes記事でもその重要性を指摘している)
・部門横断型のリーダーシップ
・応用システム思考

現在の職場が実際に必要としているスキルと将来の雇用主が求めるスキル、そしてビジネススクールで実際に教えている内容との不一致は、リーダーたちを次のような能力不足に陥らせている。

・組織内のAIリスク(シャドーAIなど)を効果的に管理・予防できない
・チームの応用AIリテラシー向上を効果的に進められない
・レジリエントで機敏な組織を構築できない
・AIネイティブ企業やAI志向企業でのポジションを獲得できない
・AI導入で真のROI(投資利益率)を生み出せない

次ページ > なぜMBAプログラムはAIに関して遅れを取っているのか?

翻訳=溝口慈子

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