MBAプログラムがAIに関して遅れを取っている理由
こうしたズレにはいくつかの理由が考えられる。
1. AIの進化が学術界の対応速度をはるかに上回っている。これは新しい授業内容が承認・提供される頃にはすでに時代遅れになっている可能性が高いことを意味する。
2. 教授や教職員が長年にわたって学術研究の世界に身を置いてきたため、実践的な実務知識やAIスキルに対する自信が不足している場合がある。
学生・企業・高等教育機関にとって意味すること
では、こうした状況に対してどのような措置を講じることができるのだろうか。
1. 高等教育はプログラムの再設計を
高等教育機関はカリキュラムとプログラムを再設計し、ビジネスリーダーシップの基礎と将来のAIリーダーシップスキルに焦点を当てなければ数年以内に見向きもされなくなるリスクがある。
実際、もはや先延ばしは許されない。というのも、将来必要とされるスキルはすでに今企業が求めているからだ。調査回答者はAI時代のスキルを教えるMBAに喜んで追加費用を払うと回答している。
短期的には、MBAプログラムを再構築する間、高等教育機関は次のような対応を取り得る。
・外部コンサルタントやリーダー、そしてAIを職場で実際に活用して成果を上げている実務家を招き、そうした成果をケーススタディとして活用し、新しいカリキュラム設計に反映させる
・学生に思考のパートナーとして倫理的にAIを活用するよう促す
2. プロフェッショナルはキャリアを「AIに耐えうる」ものに
AI時代にリードするのに必要なスキルを学ぶためにMBAを待つ必要はない。不足している分野はマイクロ資格の取得などを通じてスキルアップを図ることができる。
米ヴァンダービルト大学のように、教育プラットフォームCoursera(コーセラ)と提携してAIスキルを教える認定プログラムを提供している大学もある。
3. 企業はAI学習の仕組みの整備を
最後に、人材開発(L&D)部門は、個人のニーズに合わせて設計され、チームや従業員それぞれの強み、弱み、目標に焦点を当てたAIスキル開発の仕組みを構築することができ、そうすることでプログラムは的を絞った効果的なものとなる。
MBAは完全に時代遅れになったわけではない。だが、AIと「未来」のスキルを考慮して再設計されなければ、次世代のリーダーにとって古く、意味のないものになりかねない。


