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2026.04.06 10:00

イラン、紅海のバブ・エル・マンデブ海峡の封鎖を示唆 ホルムズ海峡代替ルート

紅海に面するサウジアラビアのヤンブー港。2022年12月22日撮影(Getty Images)

紅海に面するサウジアラビアのヤンブー港。2022年12月22日撮影(Getty Images)

イラン当局者は、米国が「愚かな過ちを繰り返す」ならば、ホルムズ海峡の代替貿易ルートである紅海のバブ・エル・マンデブ海峡を封鎖すると示唆した。

イランの新最高指導者モジタバ・ハメネイ師の顧問を務めるアリ・アクバル・ベラヤティはX(旧ツイッター)に、「抵抗戦線の統一司令部は、バブ・エル・マンデブ海峡をホルムズ海峡と同様に捉えている」と投稿した。これは、イランが支援する民兵組織などから成る緩やかな連合体である同国の「抵抗軸」を指している可能性がある。これにはイエメンの親イラン武装組織フーシ派のほか、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラやイラクのカタイブ・ヒズボラなどが含まれる。ベラヤティ顧問は「もしホワイトハウスが愚かな過ちを繰り返そうものなら、たった1つの行動で世界のエネルギーと貿易の流れが混乱に陥りかねないことを即座に悟ることになるだろう」と警告した。

イランはバブ・エル・マンデブ海峡に面していないが、同海峡に面するイエメンでは、フーシ派が北部一帯を実効支配している。フーシ派はイランと緊密な同盟関係にあり、パレスチナ自治区ガザへの攻撃への報復として、2023年と24年に数十回にわたり、紅海を航行していたイスラエル関連の船舶を攻撃した。フーシ派は先月下旬、イスラエルの軍事施設に向けてミサイルの発射を開始した。

今回の声明に先立ち、米国のドナルド・トランプ大統領はイランがホルムズ海峡の封鎖を解除しなければ、同国の発電所や橋などを爆破すると警告していた。ホルムズ海峡は、米国とイスラエルによる攻撃を受け、イランが事実上封鎖している石油輸送の要衝だ。同海峡の封鎖により原油価格が急騰し、米国のガソリン平均価格は1ガロン(約3.8リットル)当たり4ドルを超えた。

紅海に位置するバブ・エル・マンデブ海峡が封鎖されれば、周辺の産油国が石油や天然ガスを輸出するための経路がまた1つ遮断されることになり、世界の貿易がさらなる混乱に陥る恐れがある。米エネルギー情報局(EIA)は、24年には日量約410万バレルの石油が同海峡を通過したと推定している。一方、国際エネルギー機関(IEA)によると、ホルムズ海峡を昨年通過した石油は日量約2000万バレルに上った。

バブ・エル・マンデブ海峡は、周辺の産油国がアジアへ石油を輸出するためのホルムズ海峡の代替ルートの1つだ。米ABCニュースがベルギーの海運調査会社ケプラーのデータを基に報じたところによると、現在、日量約700万バレルの原油がパイプラインを通じて紅海に面したサウジアラビアのヤンブー港へ輸送されている。ヤンブー港に運ばれた原油は、紅海とバブ・エル・マンデブ海峡を経由して輸出されている。

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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