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2026.04.06 08:30

ロシアがイランに軍隊を派遣する可能性、専門家は懐疑的

ホルムズ海峡近海で実施されたイランとロシアの合同軍事演習。2026年2月19日撮影(Iranian Army/Handout/Anadolu via Getty Images)

ホルムズ海峡近海で実施されたイランとロシアの合同軍事演習。2026年2月19日撮影(Iranian Army/Handout/Anadolu via Getty Images)

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアがイランに自国の兵士を派遣する可能性があると警告した。一方、筆者の取材に応じた英米の学者らは、両国の軍事同盟の強化が西側諸国にとって大きな脅威となっているという点では一致しているものの、ロシアが自国の兵士をイランに派遣し、米イスラエル両軍と対峙(たいじ)させるというゼレンスキー大統領の予測は、実現する可能性が低いとみているようだ。

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ゼレンスキー大統領はX(旧ツイッター)への投稿で、ロシアがイランと手を組み、爆撃用ドローン(無人機)の共同開発を進めていることや、中東全域の米軍の防衛拠点や兵士の位置を正確に把握するための高度な情報をイラン側に提供していると指摘した上で、次のように述べた。「これらの政権はいずれも世界と対立する姿勢を取っている。ロシアは現在、自らの侵略に有利になるよう、中東情勢を操作しようとしている。さらに、イラン政権による近隣諸国や米軍基地への攻撃を、ロシアのウクライナに対する戦争、ひいては西側諸国全体に対する戦争へと事実上転換させようとしている」

英ロンドンを拠点とする放送局「イラン・インターナショナル」の報道によると、2月末に米イスラエル両軍がイランへの攻撃を開始するわずか数日前にロシアは軍艦を派遣し、イラン革命防衛隊海軍との合同軍事演習を主導した。だが、ロシアの軍艦が同地域に派遣された米国の航空母艦と交戦することはなかった。

米シンクタンク、セキュアワールド財団で宇宙安全保障を担当するビクトリア・サムソン部長は筆者の取材に対し、イランでの紛争はある意味で、同国とロシアによる西側諸国との広範な戦争の新たな戦線になりつつあるというゼレンスキー大統領の見解に同意すると述べた。「米国が同地域での軍事的存在感を強めているように見えるため、ロシアが地上部隊を派遣しないことを強く願っている。米国とロシアの兵士が直接戦闘を繰り広げることになれば、その結果がどうなるか心配だ。冷戦時代のように、代理戦争を繰り広げるのとは対照的だからだ」

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イスラエル紙エルサレム・ポストは、イスラエル軍がイランの航空宇宙本部に対して行った空爆により、同国が「宇宙空間に発射して米国を攻撃できる」核搭載可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発しようとする動きが壊滅的な打撃を受けたと報じた。だが、サムソン部長はこの報道の正確性について疑問を呈している。同部長は、イランが自爆無人機の速度と殺傷能力を高める上でロシアは支援してきたが、大西洋を横断するICBMの開発計画を支援している可能性は低いとみている。「ロシアには、他国のICBM計画にそれほど巨額の資金を投じる動機はないだろう」

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翻訳・編集=安藤清香

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