グロスフェルド博士によると、ロシアがイランに高度な衛星情報を提供していたことは、中東全域の米国のミサイル防衛システムに対するイランの空爆を後押しした可能性が高く、これは中東の紛争と連動して展開されている宇宙戦争の一環だという。
イランはサウジアラビアの空軍基地に駐留する米空軍の早期警戒管制機(AWACS)「セントリー」を破壊した。ゼレンスキー大統領は、ロシアがセントリーの正確な座標をイラン側に提供したという証拠を握っていると述べている。同大統領は米NBCニュースの取材に対し、イランの攻撃に先立つ数日間、ロシアがサウジアラビアの空軍基地の衛星画像を3回撮影していたと語った。
グロスフェルド博士は、ロシアの観測衛星はイランに正確な座標を提供する可能性があるとみている。同博士は、西側諸国との対立を背景に、ロシアとイランが防衛分野で協力してきた歴史は数十年前から続いていると指摘する。だが、ロシアがイランのICBMや対衛星ミサイルの開発計画に関与していたという証拠は今のところない。
しかしグロスフェルド博士は、ロシアが「イランに対する長年にわたる外交的、経済的、軍事的な支援」を強化しているとした米国務省の最近の報告書を挙げ、米政府は両国間の防衛協力について注視していると指摘した。同省の高官によると、ウクライナ侵攻を巡り、イランはロシアに対し、殺傷用無人機、誘導航空爆弾、砲弾、短距離弾道ミサイルを供給してきた。一方、ロシアはイランに対し、ミサイル、電子機器、防空システムなどを含む、かつてない規模の防衛協力を提案し始めたという。
グロスフェルド博士によると、ロシアはイランの革命指導者らとも手を組み、米航空宇宙企業スペースXが運営する衛星インターネットサービス「スターリンク」を攻撃するためのさまざまな兵器を設計している。イランに密輸された違法なスターリンク端末の所持者は死刑に処される可能性がある。同国では国内全域でインターネットが遮断されているが、スターリンク端末はインターネットへの接続を可能にする。ロシアは、スペースXの端末の位置を特定するための無人機の開発を支援したほか、同社の衛星群と地上の送受信機との間の通信を妨害するための電子戦装備も提供した。グロスフェルド博士は、イランが禁止しているスターリンク端末との戦いで飛躍的な進歩を遂げれば、その技術はウクライナでもロシアの特殊部隊によって活用されるだろうと予測している。


