フォーチュン500企業で20年以上の経験があるが、情熱に従いながら組織を力づけるため、非営利分野へ転身したい。透明性をもってこの転換を進めるには、どのようなコツがあるだろうか。特に、新しいネットワークの築き方について意見を聞きたい。LinkedInで何人かに連絡したが返答がない。面識のない人からのコネクション申請を受け入れることに、相手が警戒しているのではないかと思う。
キャリアの転換は、丸ごと1冊の本が書けるほど幅広いテーマである。この人事担当者は、ネットワーキングが転換を実現し得ると考えている点で正しい方向にいる。ただし、LinkedInで人に連絡するだけでは不十分だ。キャリアチェンジのための7つのステップを紹介する。
最初の仕事を得る前に、キャリア転換を「起こしておく」
新しいキャリアで仕事を得る最善の方法は、転職者、初心者、新米に見えないことだ。最初の仕事を得る前から、キャリアの転換がすでに起きているように見せなければならない。
ステップ1:新分野に関連する実務経験を、手を動かして示す
非営利の仕事を志すこの人にとって、ボランティア経験や理事会(ボード)での活動、あるいはリーダーシップを担う経験は、新分野で働く本気度を示すうえで欠かせない。理想的には、狙うミッションに直結する領域で実務経験を積むことだ。そうすれば採用側は、この人を外部の人間ではなく同じ目線の仲間として捉えられる。転身したい分野で経験を積むことは、極めて重要な第一歩である。自分が本当にこの転換を望んでいるのかを確認できるうえ、面接で必ず聞かれる「なぜ新しいキャリアを探しているのか」に対し、本気の関心を裏づける材料を雇い手に提示できる。
ステップ2:新分野の「内側」を徹底的に理解する
転職初心者ではなく内部の人間のように見せるもう1つの方法は、新分野について徹底的な知識を持つことだ。これは情熱を示すうえでも役立つ。どの非営利団体、政府機関、民間財団がこの課題を支援しているのか。最大の懸念は何で、どんな機会があり得るのか。採用側に「この人は、こちらの時間とコストを使って学ぶつもりだ」と思われたくないはずだ。初日からこの役割にどう取り組むのか。
ステップ3:より確立された候補者ではなく、自分を採るべき理由を説得力ある形でつくる
経験や知識が多少あっても、まだこの業界や職務で日々働いてはいない。では、なぜ採用側はより実績のある人ではなくあなたを選ぶのか。筆者が支援した転職者の1人は、銀行業界から公立学校の教育分野へ転身を成功させた。充実したボランティア活動と教育セクターの最新知識に加え、彼女は財務スキルと深いオペレーション経験を前面に出すことで、他の教育業界出身の候補者に勝った。いずれも彼女を採用した組織が重視していた点だった。あなた独自の価値提案は何か。
複数の道筋で新しいネットワークを築く
ネットワーキングの難しさに関する質問の後半について言えば、LinkedInは重要だが、ネットワーキングの一部分にすぎない。
ステップ4:イベントを活用し、業界の内部者に対面で会う
カンファレンス、ミートアップ、業界特化のキャリアフェアは、新分野の人々に出会えるだけでなく、トレンドや組織、さらには想定していなかった役割について学べる優れた場である。業界団体を調べ、出身校のキャリア支援窓口に連絡し、あるいは地元の図書館を訪れて参加できるイベントの手がかりを得るとよい。対面で会うことは、会う約束を取り付けようとしてメールを行き来させる手間を省く近道である。ただし、本物の関係性は一度きりで完結するものではない。イベント後のフォローアップも忘れてはならない。
ステップ5:既存のネットワークを、明確で魅力的な依頼とともに活用する
自力で新しい人に会うだけでなく、すでに知っている人々を忘れてはならない。たとえ彼らが新分野にいなくても、新分野の人を知っているかもしれないし、あなたのターゲットの内外に縁のある転職経験者かもしれない。キャリアチェンジへの関心を既存のネットワークに伝えること(秘密保持が気になるなら、まずは小さな範囲で共有する)。接点を持ちたいと考えている特定の企業、職種、あるいは人について尋ねるとよい。人は忙しく、手助けするためには具体的な指示が必要だ(依頼しても相手が動いてくれない場合の対処はこちら)。
ステップ6:招待機能だけでなく、LinkedInを最大限に活用する
LinkedInはリサーチに有効で、つながりたい相手が見つかったなら、なぜつながりたいのかを説明するメモを添えて招待を送るとよい。しかし、LinkedInの招待機能はキャリア転換のためのツールの1つにすぎない。新分野に関するニュースをキュレーションして熱意を示そう。オリジナルの投稿で知見をアピールしよう。他者のコンテンツ(特に知り合いたい相手のもの)にコメントし、興味深い質問を投げて議論を発展させよう。もちろん、LinkedInプロフィールを更新し、新しいキャリアを反映させることも忘れずに。
即効の成果より、継続的な努力に焦点を当てる
キャリアチェンジは短距離走ではなくマラソンである。単発の成果よりも、継続的な努力に焦点を当てよ。
ステップ7:成果だけでなく、取り組みも追跡する
何人に連絡したのか。ネットワーキングの働きかけが返答につながっているか、そしてその返答が最終的に情報、洞察、紹介につながっているかは確認すべきだ。だが最初の指標は、あなたが投入している努力である。転換にどれだけ時間を使っているのか。ターゲット企業は何社あるのか。キャリアチェンジに本当に連続何週間取り組んでいるのか。それとも、始めては止めることを繰り返し、何の手応えも得られない状態に陥っていないか。



