リーダーシップ

2026.04.05 15:51

CFOの進化論:事業部門との「真のパートナーシップ」をいかに築くか

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Bryan LapidusはFPACであり、Association for Financial Professionalsでコーポレートファイナンスの実務家育成に取り組んでいる。

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長年にわたり、CFOは「事業にもっと近づけ」と言われてきた。現場を歩け。オペレーション会議に出席せよ。関係性を築け。こうした行動は確かに重要だが、それは最低限の参加資格にすぎない。パートナーシップが成果ではなく距離感で定義される限り、ファイナンスは価値創造の隣にとどまり、その中に組み込まれることはない。

真のパートナーシップは、アクセスの問題ではない。事業が欠かせないものとして求める形で、ファイナンスがサービスを提供し、資本を統括することにある。そのためには、マインドセット、スキル、組織、プロセスを意図的に転換していく必要がある。

以下に、CFOが取るべき4つの打ち手と、パートナーシップが実際に機能しているかを見極める問いを示す。

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1. マインドセットを転換する:コストセンターからサービスセンターへ

多くのファイナンス組織はいまだに、主な役割がコスト管理とコンプライアンスであるかのように動いている。サービスセンターという発想は、ファイナンスを意思決定支援、資本の統括、リスクの洞察を提供する存在として再定義する。事業がしぶしぶ受け入れるものではなく、積極的に引き出したくなるサービスである。

これは、ファイナンスがあらゆる依頼に「イエス」と言うべきだという意味ではない。明確さ、信頼性、妥当性を備えた価値付加サービスを提供する責任を、ファイナンスが負うということだ。

Association for Financial Professionals(AFP)の会員ラウンドテーブルでは、ある電力会社のファイナンスチームが、全社一律の削減を打ち出すのではなく、特定領域を深掘りする全社的なコスト最適化の取り組みに参加した。彼らは資産活用に目を向けた。指標上はトラックの稼働率が高く良好に見えたが、現場で観察すると、単独走行や非効率なルート設定により、実際にはトラックが過剰に稼働していることが分かった。その結果、整備費の増加と稼働停止が発生していた。ファイナンスは現場を直接見て、標準的な報告指標を超えて踏み込み(資産活用率を下げることになるため)、コスト削減につなげた。議論は「コストを切る」から「資本がどのように価値を生むかを最適化する」へと移った。

ファイナンスがサービス提供者として見なされるなら、需要は増える。次を問うべきだ。

• 事業リーダーは意思決定がほぼ固まってからではなく、早い段階でファイナンスを巻き込んでいるか?

• パートナーは、報告と承認を超えてファイナンスがもたらす価値を明確に言語化できるか?

• トレードオフが生じたとき、ファイナンスは自部門の好みを守るのではなく、企業全体の成果に最適化しているか?

2. ファイナンスチーム全体で事業理解を高める

パートナーシップは、ファイナンスが数字は理解していても、その背後にあるビジネスモデルを理解していないときに崩れる。ファイナンスのプロフェッショナルは、どのように価値が生まれ、どこで失われ、どのオペレーション上の制約が重要なのかを、意思決定が実際に行われるレベルで理解しなければならない。

それがなければ、ファイナンスは反応的になる。選択肢を形づくるのではなく、結果を検証するだけになる。

事業を学ぶ方法は多い。工場の現場を歩く、営業に同行する、顧客との電話に同席する。私が特に有用だと思うツールの1つがビジネスモデルキャンバスである。アナリストに、事業がどう価値を生むのかを整理し、顧客を特定し、どこで収益が生まれるのかを示してもらう。時間がたつにつれ、キャンバスは事業側パートナーとの共通言語となる。分析は結果の説明から、現実のドライバーとトレードオフに根差した意思決定の形成へと移る。

ファイナンスに事業理解が欠けると、統制に回帰する。次を問うべきだ。

• ファイナンスは、業績を左右する主要なオペレーション要因を平易な言葉で説明できるか?

• 事業が柔軟に動かせる領域と、実質的な制約がある領域を理解しているか?

• 洞察は、差異と予測だけでなく、選択肢と含意として示されているか?

3. 協働しやすさ(その1):パートナーシップに向けて組織を整える

担当領域が分かりにくいこと、エスカレーション経路が不明確なこと、窓口が分断されていることは、いずれも摩擦を生む。組織の整合とは、パートナーが「どこに行けばよいか」「何が期待できるか」「意思決定がどう進むか」を理解できるようにファイナンスを設計することだ。構造は官僚主義ではない。信頼を運用に落とし込む仕組みである。

ある新任のファイナンスリーダーが、中堅のプライベートエクイティ保有企業に迎えられ、FP&Aチームの構築を任された。ケーススタディで彼はこう述べている。「急速なオーガニック成長と戦略的買収が重なると、さまざまな非効率が見えにくくなる」「これらの事業をリアルタイムで支援するための、ファイナンス組織への直接の生命線がなかった」。経営陣はパートナーシップを軸に組織を再編した。担当領域を明確化し、FP&Aのリーダーシップを強化し、ファイナンス変革をより広範なオペレーション施策と明確に結びつけた。その結果、関与の仕方は簡素化され、意思決定支援は迅速になった。事業リーダーは、誰に連絡すべきか、ファイナンスが何を提供できるのか、いつ関与させるべきかを把握できるようになった。

パートナーシップが非公式な「抜け道」に依存しているなら、スケールしない。次を問うべきだ。

• 事業側パートナーは、ファイナンスの誰がどの意思決定を担っているかを正確に把握しているか?

• 役割と責任は明確か。それとも何度も再交渉されているか?

• リーダーが交代してもパートナーシップは維持されるか。それとも個人の資質に依存しているか?

4. 協働しやすさ(その2):ファイナンスとオペレーションのプロセスを統合する

関係が良好でも、ファイナンスとオペレーションが並走するだけでプロセスが切り離されていれば、うまくいかない。パートナーシップにはプロセス統合が必要だ。ファイナンスのリズムを、事業が計画し、実行し、適応する方法に合わせて整えることである。

AFPのラウンドテーブルで、あるファイナンスリーダーは、自分のチームがボトルネックになっていたと説明した。意思決定に遅れて関与し、選択肢を形づくるのではなく結果の妥当性確認を求められていた。しかし、ファイナンスがシナリオプランニングを商流とオペレーションのワークフローに直接組み込んだことで状況が変わった。鍵は「事業のために作るのではなく、事業と一緒に作る」ことだった。これにより、ファイナンスが守るべき財務上のガードレールと、事業側が必要とするユニットエコノミクスや取引要件を、並行して統合できた。最終的に、摩擦は減り、対応は加速し、トレードオフはより賢明になった。

ファイナンスが並走をやめ、事業と連続した流れで動き始めたとき、パートナーシップが「許可を求める文化」に取って代わり、成果が伴う。

ファイナンスのプロセスが孤立しているなら、パートナーシップは断続的なものにとどまる。次を問うべきだ。

• 計画サイクルは、事業が実際に意思決定を行う方法と整合しているか?

• オペレーション指標と財務指標は明確に結びつけられ、同じ場で議論されているか?

• 事業は行動に移す前に、シナリオを素早く検証し、含意を理解できるか?

結論

CFOは、目立つ存在になることでパートナーシップを築くのではない。ファイナンスがどう考え、どう運営し、どう価値を届けるかを変えることで築く。ファイナンスが信頼されるサービス提供者となり、本質的な事業理解を身につけ、組織を整え、オペレーションと統合されるとき、パートナーシップは理想ではなく能力となる。

そのときファイナンスは、単に席を得るだけでなく、最も重要な意思決定の中で発言権を獲得する。

forbes.com 原文

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