米航空宇宙局(NASA)が、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)とハッブル宇宙望遠鏡を用いて観測した土星の新しい印象的な画像を公開した。
3月25日付で公開されたこれらの画像は、2024年後半にJWSTとハッブルが14週間の間隔を置いて撮影したもの。象徴的な環と独特の縞模様で知られる土星は、2025年5月に北半球で秋分を、南半球で春分を迎えたが、新たな画像はこの季節の節目に向かう過程にある惑星の様子を捉えている。
土星の南半球の季節が春から2030年代に迎える夏へと移り変わるにつれ、2つの宇宙望遠鏡はより鮮明で詳細な南半球の姿を明らかにするだろう。

2021年のクリスマスに打ち上げられたJWSTは赤外線観測装置を搭載し、惑星の大気をより深部まで詳細に観察することが可能となった。これにより、これまでわかっていなかった惑星大気の構造や動態が明らかになってきている。
一方のハッブル宇宙望遠鏡は、地球の軌道の外側を公転する外惑星の大気を観測するNASAの「OPAL:Outer Planet Atmospheres Legacy」プログラムの一環で、木星、土星、天王星、海王星を定期的に観測してきた。これまでに10年分の大気観測データが集まっている。
これにJWSTの高度な赤外線観測が加わることで、惑星における季節の変遷、嵐の進化、大気の変化などをこれまでにない精度で追跡できるようになった。

土星の環
JWSTの画像では、太陽系の第6惑星を象徴する環がきわめて明るく写っている。これは、環を構成する反射率の高い水氷の粒子が太陽光を散乱させているためだ。また、広範囲を覆う雲の帯や、大気が気温変化・風・高高度のヘイズ(光化学的に生成されたもや)の影響で微妙に変動している様子も確認できる。
JWSTの赤外線観測装置により、惑星大気中のガスや雲、エアロゾルが異なる高度でどのように相互作用しているのかを科学的に分析できるようになった。土星の雲の下では強い風と波が一定のパターンで出現して複雑な気象現象を生み出しており、こうした分析は重要だ。




