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2026.04.05 07:00

米軍ガトリング砲、イランのシャヘド無人機に突破を許す 「最後の防空手段」飽和攻撃に不安

イラクの首都バグダッドにある米国大使館付近で、シャヘド自爆ドローン(無人機)が米軍のセンチュリオンC-RAM対空砲システムで撃墜される様子とされる画像。X(旧ツイッター)で共有された動画より

バグダッドにある米国大使館の場合、C-RAMと連携したジラフ1Xレーダーがドローン攻撃を受けて損傷し、使用不能になった可能性がある。この攻撃はイラン側が、ほかの目標を攻撃可能な状態にするには、まずこのレーダーをつぶす必要があると知っていたことを示唆する。

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ロケット弾や砲弾と異なり、シャヘドは予測可能な軌道を飛行する必要がない。ロシア版シャヘドの一部は、脅威を感知すると自動的に回避機動を行うようになっている。先に取り上げたいくつかの動画からもわかるように、C-RAMの連射による弾の流れは視認でき、回避される可能性がある。ドローンがこのような回避行動をとった場合、少なくとも撃墜に必要な弾数が増えるのは間違いない。また、ロシア版シャヘドには、防空側を撹乱し、消耗させるために、安価なゲルベラおとり(デコイ)ドローンが多数随伴する。現時点では、イランはこれらの能力をまだ備えていないようだ。

弾倉内の弾数は大きな問題になるかもしれない。これまで、イラクでC-RAMが頻繁に必要になることはなかった。米軍のC-RAMはイラク国内の少なくとも5カ所に配備されたが、16年間の運用を通じて使用は400回未満だったと報じられている。平均すると、各C-RAMは数カ月に1回しか発射していなかったことになる。つまり、以前は弾薬量は制約要因でなかった。

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これまでに確認されている状況から判断すると、C-RAMがドローンの迎撃に成功するには数秒を要するようなので、弾倉内の弾がいったん尽きるまでに撃墜できるのはせいぜい4〜5機程度かもしれない。イランがシャヘドの波状攻撃を仕掛けていることを踏まえると、当該施設の最後の防御手段としてC-RAM1基では不十分になるおそれがある。

さらに米軍の弾薬備蓄という問題もある。米陸軍は今年、M940を2万発程度しか調達しておらず、これは1つの発射機が5分間の射撃で使い切ってしまう量だ。おそらく、裏では追加の調達が緊急に進められているのだろう。

一部のシャヘドは防空網を突破しており、在バグダッド米国大使館の周辺で複数の着弾が確認されている。C-RAMは優れた兵器に見え、実際、想定された任務では非常に高い効果を発揮する。しかし端的に言って、大量のシャヘドに対処できるようには設計されていない。

こうした任務では、ウクライナが開発しているような小型の迎撃ドローンのほうがはるかに有望かもしれない。これらの迎撃ドローンは1機数千ドルで、レーダーなど各種センサーとも統合されて運用される。とりわけ、シャヘドが毎晩飛来するような長期にわたる戦いではその有用性が際立ちそうだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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