ドローン(無人機)防衛をめぐる議論では、最後の手段としてよくガトリング式機関砲が持ち出される。この種の速射兵器はもともと、海面すれすれに飛来するミサイルから米国の軍艦を守るために開発され、時速190km前後で飛んでくるイラン設計のシャヘド自爆ドローンより大型で高速の脅威も容易に撃墜し得るものだ。たしかにガトリング砲は理論上、対ドローンできわめて有効に見えるし、ニュース報道でも「イランのドローンを粉砕」などと熱烈に伝えられている。しかし、これはすべてのドローンをなぎ払う魔法の杖のような兵器ではなく、事実、一部のシャヘドに突破を許している。
ガトリング砲による戦闘の様子を捉えた動画や、その実際の能力をより詳しく検討すると、現場で本当はどのようなことが起こっているのか、その一端が見えてくる。同時に、そこでは弾薬の供給が決定的に重要になりそうなこともうかがえる。
最後の防御線
米海軍で1980年以来使用されてきた「ファランクスCIWS(近接防御火器システム)」の陸上型である「センチュリオンC-RAM(対ロケット・野戦砲・迫撃砲)」は、イラクで2006年に初配備された。これは、人的損害を防ぐために緊急の戦闘が必要になった際に「最後の防御線」の役割を果たすものである。陸上型は重量約24tの自己完結型ユニットで、価格は400万ドル(約6億4000万円)強となっている。
C-RAMはその名のとおり、ロケット砲や野戦砲、迫撃砲による攻撃から基地などを防御するために導入された。システムにはレーダーが統合されており、飛来してくる発射体だけでなく、M61A1バルカン20mmガトリング式機関砲から連射(バースト)される砲弾の軌跡も追尾し、目標に命中するよう制御する。
このガトリング砲はF-15戦闘機やF-16戦闘機に搭載されているものと同じだ。最大の特徴はその驚異的な発射速度にあり、電動で回転する砲身6本から、電動丸ノコのような音を立てながら砲弾を毎分3000〜4500発(毎秒50〜75発)発射する。発射速度は2モードから切り替えられる。



