Z世代が代わりに選んでいる道
大半のZ世代は、事態が自然によくなるのをただ待っているわけではない。筆者には、彼らが進んでいる道筋が大きく2つあるように見える。そして、その2つは時に交わる。
・起業
起業を一種の賭けと捉え、大企業に雇われる方が安心だと考えがちだった上の世代とは異なり、今の若者は起業こそが安定への道であり、むしろ他人に雇われる方がリスクだと考えている。起業を志すZ世代の数は過去最高水準にある。
・熟練技能職
AIがホワイトカラーの仕事を奪おうとしているのなら、ブルーカラーの仕事に目を向ける時だ。大学進学の投資対効果に疑問を抱き、自動化されにくい職業を求める若者が増える中、熟練技能職はある種の復活を遂げつつある。皮肉なことに、AIデータセンターの建設ブームが、AIを支える施設を建てるための技能労働者への需要を押し上げている。
この2つの道を組み合わせ、身につけた技能を活かして自ら事業を立ち上げる人もいる。こうした若い事業主の多くは順調に事業を伸ばしており、今後も大きな成長余地があると見ている。
目先の成果ではなく、将来性で採用せよ
では、企業にとっての教訓は何か。際限なくコストを削りたくなる衝動を抑えるのは難しいかもしれないが、組織は目先の損益計算だけでなく、その先を見据える必要がある。確かに短期的にはAIの方が安上がりかもしれない。だが、人材パイプラインへの代償はどうだろうか。入口に足を踏み入れる機会すら得られないのであれば、誰が次世代のリーダーを育てるのか。
即戦力ではなく将来性を見て採用すべきである。そうしなければ、将来のトップパフォーマーとなるべき人材を、自らの手で締め出してしまう危険がある。


