ソフトウェア企業への影響
人気のあるCRMアプリケーションの販売代理店でありパートナーでもある筆者の立場なら、クライアントに「気にする必要はない」と言うだろうと思われるかもしれない。だがそれは誤解を招くし、そもそも間違っている。だからこそ筆者は実際にクライアントにこう伝えている──新しい会計システムやCRM、その他の業務システムの導入を待てるなら、待ったほうがいい、と。あまりにも多くの変化が目前に迫っているからである。
今後数年のうちに、これらのツールはさらに成熟し、高速になり、使いやすくなるだろう。自分で使って独自のビジネス基盤を構築したいなら、外部の開発者に頼らずとも実現できるようになる。本業に集中して外部開発者に任せたい場合でも、その作業はこれまでとは比較にならないほど速く、安く済むようになるだろう。
こうした新しいツールのおかげで、ソフトウェアベンダーに押しつけられた業務プロセスを受け入れる必要はなくなる。自分自身、あるいはパートナーの手で、自社の業務に正確に沿った独自のシステムを構築できるようになる。プロンプトの送信やエージェントの起動のたびに「トークン」の利用料が発生するが、その費用は従来のソフトウェア基盤事業者に毎月支払う高額な利用料と比べれば取るに足らない。
データは引き続きクラウド上に置かれ、AWS、グーグル、マイクロソフト、あるいは他の大手テクノロジー企業がホスティングすることになるだろう。セキュリティの水準は従来のソフトウェアと同等のものが確保される。サポート面でも、特定のソフトウェア専門のパートナーに縛られるのではなく、これらのAIツールを扱える人材であれば誰でも支援に加われるため、選択肢は格段に広がる。
さらに重要なのは、企業価値が高まるという点である。ワークフロー、業務プロセス、レポート、自動化の仕組みを自ら構築し、従業員の生産性を最大化できるようになる。使用するAIツールは汎用化されており、ほぼどの技術チームでも他のシステムへ移行できる。そのため、将来自社を買収する側が既存の業務基盤に縛られたり、移行に多額のコストを負担したりする必要がなくなる。
これは今すぐにでも始められる。あるいは、ツールがさらに改善されるのを待ってもよい。


