Jason Richmond(ジェイソン・リッチモンド)、Ideal Outcomes, Inc.創業者兼チーフ・カルチャー・オフィサー。『Culture Ignited: 5 Disciplines for Adaptive Leadership』著者。
人生には、誰かを信頼しなければならない瞬間がある。オーストラリアに住んでいた頃、初めてバンジージャンプをしたときのことを鮮明に覚えている。心臓は激しく鼓動し、風が耳元を吹き抜け、私は虚空へと身を投じた。スタッフが自分の仕事を理解していると信じた。彼らの経験と専門性が、私を安全に戻してくれると信じたのだ。
職場においても信頼は同様に不可欠である。しかし今、信頼は危険なほど不足している。
2025年の主要なIndeedの調査では、雇用主を信頼していると答えたZ世代の従業員は41%にとどまった。これに対し、ミレニアル世代は約65%、ベビーブーマー世代は71%である。世代間の差は明確だ。
一方、GenHQの調査では、働くZ世代の47%が、リーダーシップへの信頼の欠如を理由にすでに離職した経験があると報告されている。さらに、コーン・フェリーの「Workforce 2025: Power Shifts」は、信頼できる上司がいることを理由に80%の労働者がその職場にとどまるとした。
また、デロイトの2025年Z世代・ミレニアル世代調査は、向上心と成長意欲を持つ世代の姿を描き出している。ただし、それは必ずしも従来型の意味ではない。リーダー職に就くことが最優先の目標だと答えたのは6%にすぎず、現在の管理体制が自分たちの望む成長支援を提供しているかどうかに懐疑的な人が多い。
これらを総合すると、今日の若手が仕事そのものに無関心なのではなく、キャリアをどのように、どこで、誰と育てるかについて戦略的に選別していることがわかる。リーダーが信頼を勝ち取れなければ、多くは権威より自立を選び、従来の企業内出世ルートの外に機会を求める。
信頼が損なわれた理由
私がこれまでに直面してきた主要因は5つある。
1. リーダーシップが期待の変化に追いついていない
Z世代の優先事項は、必ずしも出世の階段を上ることに根差しているわけではない。意義ある仕事、継続的な学習、成長のための支援である。そして、その点で管理職が的外れだと感じることが多い。
2. 管理職が減り、メンターも減った
パンデミック後のコスト削減は、しばしば中間管理職を最初に直撃した。管理層をそぎ落とした組織では、上級幹部が戦略業務に縛られ、日々のチーム育成から切り離されがちになる。
3. 従来型のリーダー像が響かない
研究者やリーダーシップの専門家は、従来の「命令・統制」型マネジメントは新しい世代とずれていると警鐘を鳴らしてきた。新しい世代は、思いやり、透明性、そして意思決定における主体性の共有を期待することが多い。
4. スキル投資に対して、コーチング投資が見合っていない
多くのZ世代はスキルアップに熱心に取り組んでいる──しばしば自分の時間を使って、である。しかし、そのスキルをキャリアアップに結びつける点で、組織からのサポートが不足していると感じる人も少なくない。
5. 期待と実態のミスマッチがある
今日の若手は、ウェルビーイング、協働、目的意識、そして柔軟性を尊重する職場を期待している。これらの期待が一貫して満たされなければ、信頼は弱まる。とりわけ、リーダーがそうした優先事項について十分に伝えなかったり、行動に移さなかったりする場合はなおさらだ。
リーダーにできること:信頼を築く5つのアクション
若手がキャリアへの期待を再定義しているのであれば、リーダーもそれに合わせてリーダーシップを再定義しなければならない。以下は、私が多くの組織と仕事をするなかで提唱している、実践的な5つの戦略である。
1. メンタリングを「偶然」ではなく「意図的」に設計する
若手は成長を渇望しているが、自然発生的なメンタリングはめったに偶然には起きない。若手を経験豊富なメンター(部門横断も含む)と組み合わせる、構造化されたメンタリングプログラムに投資すべきだ。
このクローズドループ型の育成アプローチは、彼らが最も重視する成長の道筋のなかで、リーダーの存在を可視化し、アクセスしやすくする。構造化されたメンタリングは、成果だけでなく人への真剣な投資を示すシグナルとなる。
2. まず聴き、それから動く
Z世代とミレニアル世代は一貫して、雇用主に対し、自分たちの優先事項、とりわけ成長、目的意識、ウェルビーイングに向き合うことを望んでいると感じている。率直なフィードバックを引き出し、それに対して目に見える行動を取るリーダーは、空疎な美辞麗句を並べるリーダーよりも強い信頼を得られる。本物の双方向フィードバックは、心理的安全性を生み、リーダーが自分たちの声を重んじていることを示すため、尊重を育む。
3. 管理職を、旧来の命令型ではなく現代的リーダーシップで鍛える
リーダーシップ研修は、いまだに人材育成ではなく、タスク遂行に重点が置かれがちである。管理職に、コーチングのスキル、感情知性、リモート/ハイブリッド環境での効果的なコミュニケーション手法を身につけさせるべきだ。
これらは「ソフトスキル」ではない。信頼を駆動するエンジンである。共感力と社会的能力の高いリーダーは、コミットメント、協働、より高いエンゲージメントを引き出す。
4. 仕事を目的と個人の成長ルートに結びつける
デロイトの調査結果は、若手が階層的な出世よりも、意義ある仕事、スキル形成、そして総合的なウェルビーイングを重視していることを示している。リーダーは、昇進や肩書だけを強調するのではなく、水平的なスキル成長、複数領域への経験、目的志向の成果に重きを置くキャリアパスを設計することで応えられる。
5. 方向性について、オープンに、頻繁に伝える
多くの若手は、情報を早い段階で共有し、なぜその意思決定がなされたのかを説明し、何が不確かなのかも認めるリーダーを評価する。透明性は、憶測を明確さに置き換えることで信頼を生む。そして明確さはストレスを減らす。明示的な説明は、リーダーとチームの間の社会契約を築く。
仕事の未来を決めるのは信頼である
私の友人で同僚のStephen Hartは、信頼の力を説明する優れた表現を持っている。「信頼は銀行口座のようなものだと思ってほしい」と彼は言う。「リーダーが約束を守る、下心なく話を聴く、評価に値する人を正当に称える、あるいは誤りを認めるたびに、預け入れが行われる。小さな行為に見えるかもしれないが、利息のように複利で積み上がる。時間が経つほど、信頼性、忠誠心、そして信じる気持ちという深い蓄えが形成されるのだ」
今日の若手は、リーダーシップそのものに反対しているわけではない。偽りのリーダーシップに反対しているのだ。彼らが求めるのは、コーチであり、ガイドであり、パートナーである。指揮官ではない。自分たちの成長を尊重し、貢献を正当に評価し、ウェルビーイングを支え、価値観と整合する職場を求めている。
信頼を育む組織は、若手人材を引き留めるだけにとどまらない。人が、自ら従うと選んだリーダーを信じるときに生まれる、イノベーション、レジリエンス、そして成長を解き放つことができる。



