自信のある人とは
同じくらい有能な2人のプロフェッショナルが会議に出席しているとする。1人は、自分にできるか完全には確信が持てなくても、進んで取り組みをリードしようとする。もう1人は同じくらい有能でありながら、準備が整うまで待つ。6カ月後、1人には実績があり、自分の能力についてより正確な認識がある。もう1人は意図を抱えているだけで、行動を起こさなかったため自己評価は変わらないままだ。
同じことは、社会的な自信にも当てはまる。仕事上の集まりに不安を感じながらも参加し、居心地の悪さを押して会話を切り出す人は徐々に会話がスムーズになっていく。一方で、快適に感じるまで待つ人は、脳が自己評価を更新するために必要な経験データを一切得ることができない。皮肉なことに、その「待つ」という行為こそが本来解消されていたはずの不安をさらに深めてしまう。
創造的かつ起業家的なリスクを取ることも同様だ。完璧でなくても草案を送り、理想的なタイミングでなくても立ち上げ、確信が持てる前に決断を下す人はフィードバックを得る。フィードバックを受けて調整が行われ、その調整を通じて初めて真の証拠に基づいた、唯一永続する自信が得られる。
自信を高めるために必要な転換
ここで理解しておきたい、重要な神経学的な点がある。不安と興奮がもたらす身体的な感覚は、生理学的にはほぼ同じだ。どちらも心拍数を上げ、警戒心を高め、気持ちの高揚を引き起こす。違いは意味づけだ。
専門誌『Journal of Experimental Psychology』に2014年に掲載された、米ハーバード大学の研究者の研究では、落ち着こうとするのではなく「ワクワクしている」と自分に言い聞かせて、パフォーマンス前の不安を「興奮」として再評価した人は、人前での話しや交渉、数学のテストなど、あらゆる課題において明らかに優れた成績を収めたことが示された。
不安による緊張感は消えなかったが、その意味合いが変わった。そして、その意味合いの変化が行動を変えた。これは、自信のある人が往々にして無意識のうちに身につけてきたことだ。難しい会話の前の心拍の高まりは立ち止まるべきという合図ではない。それは、その状況が重要であることを示すサインだ。自信のある人はその警鐘に自分の判断が左右されないようにしている。
研究は、時間をかけてこの習慣を身につけるための4つの実践的な原則を示している。
1. まずは小さな一歩から始める
目標は、未知の世界に向けて身がすくむような大きな飛躍をすることではない。バンデューラの研究では、ささやかな成功体験(多少居心地の悪い状況で最後までやり遂げるといった小さな行動など)でさえ、自己効力感を更新し始めるには十分だということが示されている。
2. 自信の根拠を積み重ねる
会議で質問を1つ投げかけよう。仮説に基づいたメールを送ってみよう。普段なら欠席してしまうようなイベントに参加してみよう。証拠は蓄積され、脳はそれを認識する。


