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2015.10.23 14:28

2015年注目IPO銘柄 フェラーリ、スクエア、Fitbitらの動向

Bankoo / Shutterstock



中国の電子商取引最大手アリババは昨年秋、米国で新規株式公開(IPO)を実施。史上最大規模の資金、250億ドル(約2兆5000億円)を調達した。その後もテック業界を中心に数多くの企業が株式上場を果たしている。ここでは今年から来年にかけてIPOが見込まれる企業、もしくは既に上場した企業を紹介する。

フェラーリ/Ferrari
フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は、傘下の高級車ブランド「フェラーリ」を今年度中に分離独立させると発表。フェラーリは10月21日にニュ―ヨーク証券取引所に上場する見通しだ。株価が仮条件レンジ48〜52ドルの上限に達すれば、フェラーリの時価総額は98億ドル(約1兆1500億円)に達する。

スクエア/Square
2015年はオンライン決済ビジネスにとって過渡期の様相を呈している。 ジャック・ドーシ―がCEOを務めるスクエア(Square)は、2013年にツイッターが株式公開した後、IPOの噂が取りざたされてきたが、10月に上場を申請した。

フィットビット/Fitbit
フィットネストラッカーのフィットビット(Fitbit)は、ウェアラブル業界の今後を指し示す企業と言える。同社株は「FIT」のティッカーシンボルで6月18日に上場。売り出し価格の20ドルから当日の終値が29. 68ドルまで急騰。市場価値61億ドルを記録した。その後、8月初旬には50ドルを突破したが、現在は37ドル付近で取引きされている。

シェイク・シャック/Shake Shack
ニューヨークのホットドッグ屋台が発祥のシェイク・シャックは2015年1月にIPOを実施した。次のチポトル(ファストカジュアル・フードチェーン)を目指す高級ハンバーガーチェーン店である同社株は、5月に最高値を記録して以降は下落傾向にある。しかし、10億ドルにも及ぶ評価額と積極的な事業展開に対す期待は高まっている。

ファースト・データ/First Data
米電子決済処理大手ファーストデータ(First Data)は、金融危機直前の巨額買収組の残党だ。 2007年、米未公開株投資会社KKRなどに290億ドル(約3兆円)という当時最大規模のLBOで非公開化され、6月には更に35億ドルを増資した。しかし、10月15日、ニューヨーク証券取引所に上場したファースト・データの株価は初日に仮条件の18-20ドルを下回り、15.75ドルで終了。市場を失望させた。

ボックス/Box
法人向けクラウドストレージサービス大手、ボックス(Box)は2014年にIPOを果たした後、非公開市場でも資金を調達している。投資家らは同社の赤字体質に敏感になっているが、評価を回復出来れば、競合のDropbox等にも株式上場の機運が高まるかもしれない。

SoFi
学生向け金融サービスで急成長したフィンテック企業、SoFi社のマイク・カグニーCEOは、今年5月「1年以内にはIPOを実施する」と発言している。

エア・ビー・アンド・ビー/Airbnb
世界の空き部屋シェアサービスを提供するエア・ビー・アンド・ビー(Airbnb)は、これまで非公開企業であり続けてきたが、そろそろIPOに踏み切るとの見方が出ている。

アプネクサス/AppNexus
デジタルアドテック大手AppNexusは、2014年に総額2億ドルでテック関連ビジネス3社を買収、今年も更なる買収でIPOへ向けて盤石の体制を整えつつある。

オネスト・カンパニー/Honest Company
ハリウッド女優のジェシカ・アルバは、環境に優しいオーガニックベビー用品のオネスト・カンパニーの顔であり代表者だ。今年に入り推定時価総額10億ドル(約1240億円)でWellington Managementから7000万ドル(約86億8000万円)を調達した。同社に関しても、近々IPOに踏み切るとの見方が浮上している。

文=アントニー・ガーラ(Forbes)/ 編集=上田裕資

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