リーダーシップ

2026.04.04 08:08

初めての管理職がつまずく3つの落とし穴──回避するための3つの方法

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待ちに待った日がついに来た。あなたは今や上司だ。この数年、あなたは優れた個人貢献者として、どんな仕事や責任もこなしてきた。過去の成功を踏まえれば、リーダーとして何ができるかは明らかだ(少なくともあなた自身の頭の中では)。チームメンバー全員を自分の延長線上にしてしまえる、と。

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それは間違いだ。

個人貢献者である間は、どれほど他者と協働していても、基本的には「自分が何を成し遂げられるか」が中心である。だが上司になった瞬間、スイッチが切り替わる。今度は「他者」が中心になる。

残念ながら、多くの人がこの教訓を学ぶのが遅すぎる。いずれそこにたどり着く人もいるが、悲しいことに、この真実を最後までつかめない人もいる。典型的な経緯はこうだ。昇進したばかりのリーダーが、なおも自分のパフォーマンスに固執している。本人の中で変わったのは、指示に従わせるチームが手に入り、より多くを成し遂げて、その功績を自分が得られるようになった、という一点だけである。

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これは、いつ起きてもおかしくないリーダーシップの惨事である。

リーダーシップを損なう失敗

企業リーダーとして40年見てきた経験から言えば、初めてリーダーになる人の成功を損ねる典型的な失敗が3つある。対処しなければ、これらはキャリアを頓挫させることにもなる。

  1. 「言う通りにやれ」。指示ばかりで説明がない。これが、リードすることは自分のことだと思い込んでいる初めての上司にありがちな型である。彼らは心の中でこう言い聞かせる。「みんなが私の言う通りにやりさえすればいい。意見など要らないし聞く必要もない。そんなものは私の足を引っ張るだけだ」。結果として、彼らは命令を怒鳴るとき以外、ほとんどコミュニケーションに時間を割かない。誰かが計画通りに動かなければ、間髪を入れずに「代わりはいくらでもいる」と告げる。
  2. 「優しくしている暇はない」。おそらく「共感的リーダーシップ」という言葉を耳にしたことはあるのだろう。これは、他者への思いやりを示し、有意義なつながりと信頼を築くことの重要性を強調する。しかし当人にとって、それは別部署の誰かが享受するぜいたく品のように聞こえる。昇進し続けたいなら成果を出さねばならない、と自分に言い聞かせる。「分かっている」チームメンバーは、甘やかしなど期待せずに付いてくるはずだ、と。
  3. 功績を分け合わない。最初の2つの失敗が3つ目を増幅させる。新任の上司がなおも自分をスターの実行者だと信じているときに起きる。たとえば、事業部のバイスプレジデントが、3時間以内に分析資料を必要としているとする。まもなくニューヨークへ向かう前に、という状況だ。新任リーダーは即座にチームを動かし、データを突き合わせ、分析と提言をまとめさせる。資料ができると、そのリーダーはバイスプレジデントとの面談へ急ぎ、チームを置き去りにして、手柄を独り占めする。

この新任の上司が壁にぶつかるまで、そう時間はかからない。たいていそのとき、チームの優秀な人材が去り始める。残るのは、ただ時間をやり過ごすだけの平凡な人ばかりだ。パフォーマンスは落ちる。

この段階で、新任の上司に対しては、コーチングやメンタリングを伴うセカンドチャンスが与えられることもある。しかし大半は解雇される。

より良い上司になるために

こうした結末で終わる必要はない。

リーダーシップは自分のことではない、と新任の上司が早く気づくほど、人を惹きつけ、忠誠心を育てるリーダーシップをより早く発揮できる。そこで大きな違いを生むのが、価値観に基づくリーダーシップである。

定期的な内省を通じて、リーダーは自らの価値観、自分が何を大切にし何を貫くのか、そして優先順位を見極め、受け入れる。そして、リーダーシップとは他者に良い影響を与えることだと理解する。他者に影響を与えるには、リーダーは親しみやすさを備えていなければならない。

昇進したばかりのリーダーに向けた教訓を3つ挙げる。

  1. あなたを成功させるもの。出発点は根本的な事実である。チームが成功しなければ、リーダーであるあなたも成功しない。あなたの成功は、チームにとって最良の人材を惹きつけ、採用し、育成し、定着させる力にかかっている。実際、最上級の賛辞の1つは、あなたのチームメンバーが社内の他のリーダーから引き抜かれ、その下で働くよう誘われることである。あなたは、組織のために他者の力を最大限に引き出せる人物として知られるようになる。その方法の1つが、チームと功績を分け合うことだ。さらに良いのは、先ほどの状況でいえば、バイスプレジデントが分析を至急求めるとき、チームも同席させ、発見事項と提言を一緒に提示することである。チームが注目されるだけでなく、上位リーダーは「将来あなたの仕事を引き継げる人材が複数いる」と理解する。結果として、あなたはより大きな責任へ昇進できる。
  2. あらゆる場所のチームを管理する。あなたのチームには、異なる地域で生活し働く人や、柔軟性を高めるためにリモートやハイブリッドで働く人が含まれるかもしれない。特に初めてのリーダーにとって、対面で会う機会がほとんどない人を管理し、育成するのは難しい場合がある。こうしたメンバーには、意識的に状況確認を行うべきだ。プロジェクトの進捗、直面している困難などである。Harvard Business Reviewに寄稿したラグー・クリシュナムーシーは、これをマイクロマネジメントではなく「マイクロアンダースタンディング」と呼んだ。彼はマイクロアンダースタンディングを、「信頼しつつも、想定外の小さなつまずきがないかを確かめること。委任しつつも、働く人が転ばないよう支えるためにそこにいること……」だと述べている。これは、誰かのデスクに立ち寄ったり、偶発的な会話を交わしたりするときにリーダーが発揮しているのと同じスキルである。違いは、オフィスにいない人たちとも関わるために、より意図的に動く必要がある点だけだ。
  3. 尊敬する上司を手本にする。組織を見渡すか、これまでの経験を振り返り、自分に問いかけてほしい。尊敬する上司は誰か。彼らのコミュニケーションやチームとの関わり方の何が、人を「この人のために働きたい」と思わせたのか。失敗への恐れを抱かせることなく、成長機会としてストレッチ課題を与えることで、どう人を育てたのか。こうした気づきは、自分自身のリーダーシップを育てる助けになる。尊敬する上司は、支援や助言、メンターを求める最初の相手にもなる。加えて、誰もが「やってはいけないこと」の見本である上司も知っている。過度に批判的で、独裁的で、えこひいきをする。彼らの下で働いたときの気持ちを思い出し、反対のことをすればよい。

上司になることは、多くの人にとって憧れである。成功の鍵は、リーダーシップが大きな転換を伴うことを忘れないことだ。個人貢献者として、あなたはスポットライトを浴びてきた。初めての上司として、あなたはその光を他者に向けることを学ばねばならない。リーダーシップに関するこの本質的な真実を早くつかむほど、人が付いていきたいと思うリーダーへと、より早くなれる。

forbes.com 原文

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