Pat Petittiは、Catalant TechnologiesのCEO兼共同創業者であり、Consulting 2.0の提唱者で、アジャイルなコンサルティングサービスの有力プロバイダーである。
今日のコンサルティングにおける課題は、努力や知性の問題ではない。問題と解決策の間にある「距離」の問題である。AIはその距離を劇的に縮めたにもかかわらず、多くのレガシー企業は、どう適応すべきか確信を持てないまま、従来と大きく変わらないやり方で走り続けているように見える。
近年、期待されてきたコンサルティングの成果物──数週間にわたる交渉、キックオフ、探索的な発見と調査・研究の結果──は、ときに「届いた時点で無価値」になっていることがある。意思決定はすでに下され、優先順位は変わり、世界は進み続け、成果物はチームの現在の現実から乖離してしまうのだ。
対照的に、エージェント型AIを使いこなす経験豊富なコンサルタントなら、わずか数分で診断を提示できる。多くの場合、実際にAIエージェントは使われているが、適切な問いを立てたり結果を解釈したりするだけの分野知見を欠く若手スタッフが担っていることもある。何百万ドルもの報酬を支払う企業にとっては苛立たしい話かもしれないが、そこには大きな機会も見えている。
AIは、コンサルティング業界の運営のあり方を根本から変えつつある。コンサルティング会社と協働するビジネスリーダーは、この新たな現実に対応できる準備を整える必要がある。
AIが従来のコンサルティングの「ピラミッド」をどう変えるか
大手コンサルティングのビジネスモデルは、しばしばピラミッド構造に支えられてきた。頂点には、クライアントが知見を求める熟練の専門家であるパートナーが座り、その下に案件を運営するコンサルタント層が続く。さらにその土台として、データ収集、調査、スライド作成が主な仕事である若手アナリストやアソシエイトの大集団がいる。
企業がコンサルティング会社を雇うとき、支払っているのはパートナーの洞察である一方、同時にピラミッドの土台部分の訓練と労働を補助していることにもなる。プロジェクトの時間の大半は、若手の土台が社内チームへのインタビュー、データ整理、調査、プレゼンテーション作成に費やし、パートナーが最終成果物を精査して提示する。AIはこの構造を変え、ひいては企業の収益の引き出し方も変えていく。
AI時代には、かつて若手アソシエイトのチームを必要とした多くの作業を、適切な分野知見とエージェント型ツールの活用訓練を備えた1人の経験豊富なコンサルタントが実行できる。これはクライアントにとって朗報だ。コンサルティングの「参入価格」を下げ、洞察を得るまでの速度を高めうる。さらに、経験豊富なコンサルタントがクライアントのチームとリアルタイムで並走し、より良い成果を目指しながら、より多くの合意形成を得ることも可能になる。
AIの世界で「専門性」がより価値を増す理由
この新しい力学は、すべてのコンサルタントに恩恵をもたらすわけではない。だが真の専門家にとって、AI時代は機会に事欠かないと私は考えている。とりわけ、実務に根差した専門性と特化領域を持つ人材は、これまで以上に必要とされている。
AIが結果を出すには、高品質な専門知見と監督が欠かせない。一般的なAIツールはサプライチェーン最適化のベストプラクティスを共有できるかもしれないが、企業のサプライチェーンの細部、役員室の政治的なニュアンス、工場現場に蓄積されたレガシーな知識までは理解できない。
移行期をどう乗りこなすか
では、目まぐるしいスピードで進化する技術環境の中で、これらはコンサルティングのクライアントにとって何を意味するのか。
私たちはいま、混沌とした移行期にいる。将来は、セキュアでエンタープライズグレードの環境で統合データセットを取り込み、シームレスな専用システムを用いる高度に訓練されたハイブリッド型コンサルタントが活躍する可能性がある。一方で、現実ははるかに断片的だ。
現在、多くの企業は「フランケンシュタインのワークフロー」の密林と化している。分断されたBIツール、スプレッドシート、実験的なAIサンドボックスを、人手を介して手作業でつないでいるのだ。この複雑なデータソース群をAIが短時間で調和させる日が来ると私は考えているが、いまはまだそこまで到達していない。
この断片化に、AIのハルシネーションという持続的なリスクが加わることで、コンサルティング会社のブラックボックス的なAI活用は、いっそう危険になり得る。おそらくAIエージェントは使われていると推測できる。しかし、その技術が「誤りを見抜ける人」の手に渡っているかどうかは分からない。
ビジネスリーダーが考慮すべきこと
この萌芽期において、コンサルティング会社と協働するビジネスリーダーは、深い機能的知識を備え、目の前のものを理解し、断片的なデータと現実世界の適用を結び付けられる経験豊富なコンサルタントと協働できているかを確かめる必要がある。
今日、現代のコンサルタントの価値は、私の考えでは次の能力にある。
1. AIを効果的に指揮する:どの問いを立てるべきか、どのデータセットが重要かを理解しているべきだ。
2. 出力を精査する:ハルシネーションと、直感に反する洞察を見分けられることに加え、回答がクライアント企業の文脈の中でどう位置付くのかを理解しなければならない。
3. 実行を促進する:診断から、クライアント固有の制約の中で機能するプロセスへと移行し、実装計画へ落とし込めるようにするべきだ。
いまのコンサルタントは、編集者であり、設計者でなければならない。
つまり、近くコンサルティング会社の採用を検討する企業は、実際に誰がAIを使い、AIの出力がどのように検証されているのかを理解するために、より深く掘り下げる必要がある。リーダーはまた、シニアのコンサルタントが常に作業を導き評価していること、そして強固なガードレールが敷かれていることを確認すべきだ。若手スタッフは、AI生成の出力の正確性を十分に理解できる経験を持たない場合がある。企業が専門性、経験、人間の判断を自動化に置き換えているなら、それは危険信号である。
いまやほぼすべてのコンサルティング会社がAI対応を掲げている以上、測定可能な能力と、流行語にまみれたマーケティング文言を切り分けることが重要だ。AIが当該企業のワークフローとクライアントの業務に与えた影響について、明確な証拠を求めるべきである。
ニュアンスを誤読し、「事実」を捏造し、過度に外挿するシステムから解放されるまでは、人間の専門家が不可欠なフィルターであり続ける。コンサルティングの未来は、ただ答えが速くなることではない。どの答えを信頼すべきかを見極められる経験にかかっている。



