政治

2026.04.04 10:00

マクロン仏大統領、民主主義国は米中に対抗すべき 米大統領との対立激化

フランスのエマニュエル・マクロン大統領。2026年3月19日撮影(Jonathan Raa/NurPhoto via Getty Images)

フランスのエマニュエル・マクロン大統領。2026年3月19日撮影(Jonathan Raa/NurPhoto via Getty Images)

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は3日、ドナルド・トランプ米大統領との個人的な確執が深まる中、他の民主主義諸国に対し、2つの超大国である米国と中国に対抗するよう促した。

アジア歴訪中のマクロン大統領は、訪問先の韓国の首都ソウルで李在明大統領と会談し、ホルムズ海峡の安全確保に向けた協力で一致したが、詳細については明らかにしなかった。マクロン大統領はこれに先立ち、東京で高市早苗首相と会談していた。

マクロン大統領は韓国の延世大学で学生に向けて演説し、米国と中国に対抗するために、民主主義諸国が「独立の連合」を構築するよう促した。米ブルームバーグ通信によると、同大統領は、民主主義諸国は「2つの覇権国の属国」となることを避けるよう努めるべきだと訴えた。同大統領は、これらの中堅国は中国の「支配力に依存」することを望んでいないのと同時に「米国の予測不可能性」に過度にさらされるべきではないと強調した。自身が提唱する同盟についてマクロン大統領は、欧州諸国に加え、日本、韓国、オーストラリア、ブラジル、カナダ、インドを挙げ、これらの国々は民主主義や国際法など、複数の課題で目標を共有していると説明した。

トランプ大統領は1日、米ホワイトハウスで開かれた行事で、マクロン大統領の妻ブリジットが夫を「手ひどく扱っている」と批判した。トランプ大統領は、マクロン大統領はまだ「顎への一撃からの回復中だ」とやゆした。これは昨年、夫妻がベトナムに到着した際、ブリジットが同大統領の顔を突き飛ばす様子が映った動画への言及とみられる。トランプ大統領の皮肉な発言について、記者から質問を受けたマクロン大統領は「反応する価値もない」と切り捨てた。

マクロン大統領は2日、トランプ大統領のイラン攻撃や北大西洋条約機構(NATO)に関する発言に対し、次のように批判した。「支離滅裂だ。もっと真剣にならなければならない。真剣に取り組みたいなら、昨日言ったことと正反対のことを毎日口にするような真似はすべきではない。恐らく、毎日話すのはやめた方がいい」

米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始して以降、事実上封鎖状態に陥っているホルムズ海峡の再開に向けた協力をNATO加盟国が渋っていることに対し、トランプ大統領は繰り返し不満を表明してきた。同大統領はこの件を巡り、NATOから離脱することを検討していると示唆した。トランプ大統領は、NATO加盟国の中でも特に英国とフランスを公然と批判しており、自ら創設したSNSのトゥルースソーシャルに、「軍事物資を満載してイスラエルへ向かう」米軍機の領空通過をフランス政府が許可しなかったことは「極めて非協力的」だと投稿した。

一方、マクロン大統領は、米国とイスラエルの攻撃に対する報復としてイランが封鎖しているホルムズ海峡を、武力行使によって再開させるという考えに反対の立場を示している。同大統領は、武力行使に踏み切れば「永遠に続くことになり、同海峡を通過するすべての人々を危険にさらすことになる」とした上で、「非現実的だ」との見方を示した。

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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