長年にわたりミレニアル世代(20代から40代前半)は、ハッスルカルチャー(まさに自分たちの成長期を育んだ文化)から距離を置き、健康を守るよう促されてきた。職と職の間には時間を取り、充実した人生を生きることに集中せよ、と。
ところがそのアドバイスは、ほんの数年前よりもはるかに容赦のない労働市場と衝突している。業界を問わず採用は大きく減速し、競争は激化した。レイオフはあらゆる層の働き手に影響を及ぼしているが、特に摩擦を感じているのがミドルキャリアのプロフェッショナルである。その摩擦は言語化しにくく、乗りこなすのはさらに難しい。
経験はあるが希少ではない。コストは高いが不可欠ではない。資格はあるが、いまの採用システムが求める形では常に可視化されない。そしてこの組み合わせが、静かなボトルネックを生んでいる。
キャリアが止まる場所
キャリア初期の働き手は、企業がジュニア職の採用を続けるため、役割を移り変わりながら比較的早く労働市場に戻れることが多い。経営層では、採用はより緊密なネットワークを通じて進む傾向があり、人間関係や評判が重みを持つ。
ミドル層は事情が異なる。
マネージャーやディレクター層のプロフェッショナルは、期待値が高い一方で差別化が見えにくい、競争の激しいフィールドで戦っている。長年にわたり着実に昇進してきた人ほど、上昇の機会が減速、あるいは完全に止まった現実に直面しがちだ。
「ミドル層の"窓"が最も厳しい」。ColorCommの創業者で、『What Do You Need: How Women of Color Can Take Ownership of Their Careers to Accelerate Their Path to Success』の著者でもあるローレン・ウェズリー・ウィルソンはこう語る。「経験はある。でも、希少と呼べるほど上位ではない」
2024年に刊行された同書は全米ベストセラーとなり、その大きな成功を受けて最近ペーパーバック版の増刷が決定した。いままさに堅実なキャリア助言が求められていることの表れでもある。
最近の労働データも、この緊張関係を裏付けている。ウィルソンは、過去1年で専門職およびビジネスサービス職の採用が減少し、その影響がミドルキャリア層に不釣り合いに及んでいると指摘した。特に年収10万ドル(約1600万円)超を求める人々で顕著だという。これらの職は充足までに時間がかかり、意思決定者が多く、技術スキル、リーダーシップ経験、カルチャーフィットという組み合わせを要することが多い。しかもそれらを短時間で見極めるのは難しい。



