この法律についてあまり知らない読者のために説明しておくと、ジョーンズ法は106年前に制定された「1920年商船法」の第27節の通称で、米国内の港の間で輸送されるあらゆる貨物は、米国で建造され、米国民に保有され、米国人が乗組員として働く船舶で運ばなければならないと定めている。
これは名目上は、保護主義的ながら一定の合理性のある措置のように聞こえる。
だが実際はと言えば、ジョーンズ法は米国経済、なかんずくエネルギー部門に大きな代償をもたらし、逆効果な規制のひとつになっている。
ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は、今回の適用免除を米国のサプライチェーン強化の一環として位置づけた。しかしケイトー研究所がいみじくも指摘しているように、サプライチェーンを強化するために法律を停止しなければならないという事実自体が、この法律に問題があることを示している。筆者も同感だ。
米国はほとんど船を造っていない
法案を主導したウェズリー・リブシー・ジョーンズ元上院議員(共和党、ワシントン州選出)にちなんで名づけられたジョーンズ法は、本来は米国製の船舶のために国内市場を確保することを目的としていた。ところが実際は、イノベーションを促す競争原理が働かず、人為的に高コストな船舶ができ上がる閉鎖的な仕組みを生み出してしまった。
現在、世界の商業用造船では、中国が55%近くと圧倒的なシェアを握り、韓国が28%あまり、日本が13%弱で続いている。この3カ国で世界の商船建造の95%超を占めている。
ひるがえって、米国のシェアはと言えばわずか0.04%だ。世界最大の経済大国、地球上でも有数の長い海岸線を誇る国は、商船をゼロに近い数しか造っていないのだ。
1982年にロナルド・レーガン政権が造船業への連邦補助金を打ち切ると、米国の商業用造船はまたたくまに崩壊した。年間およそ20隻あった大型船建造はわずか5隻まで落ち込み、業界でざっと7万5000人の雇用が失われた。
今日では、米国船籍の船を運航するコストは外国船籍の船に比べておよそ4倍に達しており、米国内で船を建造するコストも韓国など他国より少なくとも4倍はかかる。その結果、米国船籍の船はあまりに数が少なく、しかも高コストなため、自国のエネルギーのニーズすら満たせなくなっているのが現状だ。
And this $8.5 million delta is just for operating costs. Jones Act ships also have much higher capital costs due to their domestic construction. Add in the law's reduced competition, and extremely expensive shipping is inevitable. https://t.co/48WaaxG15Q pic.twitter.com/TozhCCJpcd
— Colin Grabow (@cpgrabow) January 24, 2025


