経営・戦略

2026.04.03 20:11

交渉を成功に導く「暗黙のコード」の読み解き方

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ケン・スターリング:BigSpeakおよびSterling Media Lawのロサンゼルス在住タレントエージェント兼メディア弁護士。南カリフォルニア大学でメディアと法律を教える。

交渉があっという間におかしな方向へ転んだ経験はないだろうか。相手(あるいは自分)が攻撃的になり、取引が頓挫したり、席を立ったりしたことは? そして、なぜそのような事態を招いたのか、まったく見当がつかなかったのではないだろうか。

あるいは逆に、交渉の場で何気なく発した一言がきっかけで、相手と急に意気投合し、生涯にわたるパートナーシップを築けたという経験はないだろうか。

交渉の成否は、相手の「コード」を理解し、尊重できるかどうかにかかっていることがある。コードは至るところにある。軍隊、大学のフラタニティやソロリティ、家族、さらには刑務所の中にも、こうした行動規範は存在する。私は若い頃、ストリートのコードに従って育った。それは「家族を傷つけるな」「自分より恵まれない人から盗むな」といった意味を含んでいた。

ほぼすべての組織、特に成功している組織には、文化やコードが存在する。交渉者がコードを守れば恩恵を受けることが多く、破れば相応の結果が待っている。

現在、私はタレントエージェント、メディア弁護士、そして大学教授として、学生やクライアントに相手の交渉者のコードを理解し尊重する方法を教えている。また、タイミング、影響力、レバレッジ、信頼を活用してより良い交渉を行う方法について、『TILT the Room』という本を執筆中だ。

以下に、よく遭遇するシナリオとコードの種類を紹介する。

1. 自信と落ち着きは必要だが、傲慢になってはいけないとき

自信は必要だが、傲慢さは不要だ。相手の力を認めつつも、それに萎縮しない姿勢を見せれば、より良い交渉結果を得られる可能性がある。

自信と傲慢のバランスを取るのは難しい。適切なトーンを見つけるには、「論点には厳しく、人には柔らかく」を心がけることだ。1000万ドルの評価額については毅然とした態度を保ちながらも、礼節と好奇心を持った姿勢を崩さないことができる。

緊張から饒舌になりそうになったら、立ち止まることだ。適切なタイミングでの沈黙は恐れの表れではない。深く考えているサインであり、それは経験豊富な交渉者の証だ。

2. 威圧的な相手への対処法

威圧的な相手にはどう対処すればよいのか。映画では顔面にパンチを食らわせるが、現実ではそれは通用しない。

威圧的な相手と交渉する際は、力で対抗しようとしてはいけない。代わりに、親切さ(弱腰や軟弱さではなく)で相手をなだめ、その偉大さを認めることだ。何があっても、他の人の前で威圧的な相手に恥をかかせてはならない。

これは微妙な線引きだが、効果がある。そして、テーブルのあらゆる側に威圧的な人物がいた緊迫した交渉でも、魔法のように機能してきた。

3. 強固な身内の輪を切り抜ける

もし結束の固い文化と強い忠誠心を持つグループとビジネスをすることになったら、彼らのコードに従うことだ。そのコードとは、口を閉ざし、嘘をつかず、信頼を裏切らず、噂話をしないことである。こうしたグループは、聞くべきときに聞ける率直な人物を好むことが多い。うまくいけば、困難な状況から交渉で切り抜けられるかもしれない。

会議室では、これは慎重さを実践することを意味する。たとえば、CEOの前で若手メンバーを訂正してはならない。たとえその若手が間違っていてもだ。彼らの誤りを指摘すれば、内部の忠誠というコードに違反することになり、彼らは結束してあなたに対抗するだろう。

代わりに、率直な人物であれ。この文脈では、あなたの「イエス」は鉄のように揺るがず、「ノー」は個別に、敬意を持って伝えるべきだ。

未知のコードを見極める

明確なコードが存在しない場合や、馴染みのないコードに遭遇することがある。その場合は学ぶしかない。未知のコードに出会ったら、以下を実践してほしい。

1. 準備する

交渉の場に入る前に、そこにいる全員を把握しておくことだ。味方なのか、中立なのか、それとも脅威なのかを見極める。

2. 聞く

話す量を減らし、聞く量を増やす。静かに微笑んでいると、人は話し、情報をこぼす。抑えきれないのだ。相手のコードが何か、何を望んでいるか、最も重要なゲートキーパーが誰かなど、多くのことを学べる。

3. 敬意を示す

人に恥をかかせてはならない。絶対にだ。相手を持ち上げ、褒め、他の人の前で感謝を表明する。そうすれば相手はあなたに好意を抱くようになる。なぜなら、彼らは自分自身について、そしてあなたについて良い気分になるからだ。

4. 金の流れを追う

コードは通常、権威を確立する。ビジネスにおいて、金ほど権力構造を明らかにするものはない。かつて家族の一人が、ビジネスランチの後にこう教えてくれた。私が「会議のボスは誰? 仕事をもらえるのはこっち、それとも彼?」と尋ねると、彼はこう答えた。「簡単だ。ランチ代を払う方が、金を欲しがっている側だ」

だから次に交渉に臨むときは、相手のコードを学ぶ努力をしてほしい。より良い結果を引き出せるかもしれない。

forbes.com 原文

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