リーダーシップ

2026.04.03 18:51

強さと平穏を併せ持つリーダーシップ:女性経営者が語る実践知

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ソムダッタ・シン(Somdutta Singh)はAssiduus Globalの創業者兼CEOであり、連続起業家、投資家、著者でもある。

女性がリーダーとして立つとき、ある種の繊細な力をまとっているのを見かけることがある。それは自ら名乗りを上げたり、注目を求めたりはしない。より静かなかたちで現れる。決断する前に耳を傾ける姿勢、そして彼女が言葉を発した瞬間に、その場の空気がすっと落ち着くように感じられることだ。

長い間、私はそれをリーダーシップだとは考えていなかった。キャリアの初期には、リードするとは「確信」であり、答えを常に用意し、どんな場にも準備万端で入り、自信満々に大きな声で話し、迷いを見せないことだと信じていた。だが会社をつくり上げていく過程で、その信念は揺さぶられた。人が前に進む助けになるもの、特に不確実な局面で必要なのは、確信ではなかった。必要なのは「揺るがなさ」だった。

その気づきは、私の「自信」の捉え方も変えた。以前は、決断の速さや即断即決と結び付けていた。今は違う。自信は静かでもよい。沈黙を答えで埋めたくなる衝動に抗うとき、立ち止まって考え、場の空気を読み、真実を無理に形づくるのではなく浮かび上がらせるまで待てるとき──そんな場面で自信は姿を現す。

プレッシャー下での揺るがなさ

数年前のある時期、この理解が私の中でさらに深く腑に落ちる出来事があった。当時、私のビジネスは非常に厳しい局面にあった。複数の優先事項が私の注意を奪い合い、スケジュールは逼迫し、決断すべきことが山積みになっていた。ある会議で、想定どおりに進まないことが起きた。危機ではない。だが、すぐに動いて明確化を押し進めたくなる、あの馴染みの衝動を引き起こすには十分だった。

私は反射的に反応する前に、自分を止めた。デスクから離れ、最初の高ぶりが収まるのを待つ時間を自分に与えた。そしてチームを集めたとき、あえて別のトーンを選んだ。「少しペースを落として、何が起きたのか、次に私たちがコントロールできることは何かを理解しよう」と伝えた。変化は即座だった。会話は緊張から集中へ、防御から足並みの一致へと移っていった。

そのときは小さな選択に思えた。だが振り返ると、それは私が身につけようとしていたパターンだったのだと分かる。反応ではなく「応答」を選び、雑音ではなく「方向性」を選ぶということだ。

少なくとも私の経験では、平穏が行動として現れるとは、こういうことだと思う。リーダーにとって平穏とは、感情がないことではない。感情の渦中に立ちながら、それでも自分がどう在るかを選べる能力である。怒りや恐れ、プライドが存在していても、それらに場を支配させない。

多くの女性リーダーが力を発揮する領域

ここにこそ、多くの女性がリーダーシップで力を発揮する姿を私は見てきた。Harvard Business Reviewに掲載された研究によれば、女性はレジリエンス、他者を鼓舞し動機づける力、関係構築、協働、誠実さと正直さの発揮、コミュニケーションなどを含むリーダーシップ能力の84%で男性を上回ると考えられている。女性はまた、より共感的な特性を示す傾向があるともされる。

こうしたスキルは、物事の「底流」──ためらい、言葉にされない疑念、士気の小さな変化が名指しされるよりも前に表面化する兆し──に気づく助けになる。魔法ではない。注意深さである。そしてその注意深さに信念が伴うとき、それは自ら誇示する必要のない一種の権威となる。

長年にわたり、私はこれがチームでどのように機能するかを観察してきた。リーダーシップが共感的で感情に敏感であれば、人々は自分が認められていると感じる。そして、認められていると感じる人は、行動が変わる。当事者意識を持ち、より深く関与し、困難な状況でも集中を保つ。

私の経験では、女性リーダーは誤解されやすく、「ソフトスキル」が「柔らかさ」そのものだと取り違えられることがある。だが現実には、私が知る最も強いリーダーの一部は、静かな権威のもとで動いている。難しい決断を下し、明確な境界線を引く。それでも他者の尊厳を奪わない。かつてメンターからこう言われたことがある。「理解されるために声を荒げる必要はない。言うことに本気であれば、それでいい」。この言葉は心に残った。信念に必要なのは誇張ではない。一致である。

リーダーへの教訓

ビジネスにおいてプレッシャーは常に存在する。市場は変化し、チームは移り変わり、優先事項は衝突する。その圧力の中で、成果物と利益率だけで成功を測るような、機械的なリーダーシップに滑り込みやすい。だが私は、最も厳しい決断であっても、揺るがなさと敬意をもって下されると、受け止められ方が良くなることを学んだ。人は、経験したものを映し返す。苛立ちは連鎖する。バランスも同じように連鎖する。

このリーダーシップのスタイルを際立たせるのは、複雑さを抱えられる点にある。感情を平板化せず、強さとして示すべきものはタフネスだけだとも装わない。疑い、学び、寛容さの余地を残す。そして多くの場合、それが忠誠心を育てる。人間であることが安全だと感じさせてくれるリーダーのためなら、人はより遠くまで行ける。

バランスは、一度達成して保てるものではない。ある日は力が先頭に立たなければならない。緊急性がそれを要求し、決断を待てないこともある。別の日には平穏のほうが重要になる。話すことより、聴くことが大切になる。その場がどちらの瞬間なのかを感じ取り、正直に応じることに技術がある。

時が経つにつれ、私はリーダーシップを「演じるもの」ではなく「実践」だと捉えるようになった。経験、内省、そして小さな気づきの積み重ねによって、静かに形づくられていくものだ。力と平穏の間のバランスは目的地ではない。身につけていくリズムである。

いまリーダーシップの場に踏み出す女性に、私が1つだけ伝えたいことがあるとすれば、それはこうだ。強さと静けさのどちらかを選ぶ必要はない。両方は共存できる。力は方向を与える。平穏は持久力を与える。一方は前に進む助けとなり、もう一方は進みながらも自分を損なわずにいられるよう支えてくれる。

forbes.com 原文

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