「オープンソースモデルには、出自に関係なくいくつかの利点があります。コストが大幅に低いのです。自社でモデルを運用したり、MoEモデルを使ったりすれば、コストを5分の1から10分の1に抑えられます」と、AGI, Inc.の共同創業者でプロダクト責任者のスティーブ・フレイはメールで述べた。「こうしたモデルが有用なのは、カスタマイズしやすいからです。重みが公開されていれば、特定の用途に合わせて調整できます。そのためQwenには、Hugging Face上で11万3000を超える派生版があります」
こうしたモデルを試す開発者が増えるにつれ、Airbnb、Pinterest、Notionのような企業も、中国製モデルを自社の技術基盤に取り入れ始めている。例えば、AirBnBの共同創業者兼CEOであるブライアン・チェスキーは、同社がAI顧客対応チャットボットの基盤としてQwenを使っていることを認めている。
PinterestとHugging Faceは中国製オープンソースAIをどう試しているか
Pinterestは、月間アクティブユーザー数6億1900万人を抱える世界有数のウェブサイトで、利用者は画像を手がかりに情報を探す同社サービス上で画像を共有している。PinterestのCTOであるマット・マドリガルはメールインタビューで、同社がレコメンデーションシステムやAIシステムで、自社開発モデルとオープンソースモデルを組み合わせて試していることを明らかにした。
「当社では、価値を生む場面でオープンソースモデルを使い、それらを調整したり組み合わせたりして、全体の性能と効率を高めています。実際、当社独自のマルチモーダルAIモデルは、重みが公開されたモデルを最適化する手法を使って学習させており、その結果、ショッピング関連の適合度では既製モデルを30%上回っています」とマドリガルは述べた。
マドリガルは、同社の自社開発モデルとうまく組み合わせられるオープンソースモデルの例としてQwenを挙げた。具体的には、コンテンツ理解の向上、複雑なマルチモーダルクエリへの対応、新しい検索体験やアシスタント体験の実験に役立っているという。
同社の対話型AIアシスタントであるPinterest Assistantも、社内開発の検索、レコメンデーション、生成の仕組みを組み合わせたものだ。さらに、問い合わせ内容を解釈し、返答を組み立て、適切な機能を呼び出すのを助ける、画像と文章をまたいで扱える検索機能も使っている。同様に、Navigator-1と呼ばれる社内の枠組みは、同社のテイストグラフから得た画像の特徴量と、Qwenのように追加学習したオープンソースモデルを組み合わせ、AI主導の機能を支えている。


