3月初め、開発元の表示がないまま、正体不明で高性能な2つのオープンソースAIモデルがOpenRouterに現れると、ユーザーの間では、誰が公開したのかを巡ってすぐに憶測が広がった。当時は、これがDeepSeekの新たなリリースではないかとのうわさも流れていた。
その後、シャオミが、これらのモデルはMimo V2 ProとMimo V2 Omniだと名乗り出たが、この一件は、中国製オープンソースAIモデルへの期待がいかに高まっているかを示している。中国のモデルは2025年を通じて大きく盛り上がった。なかでも注目を集めたのがDeepSeek R1で、OpenAIのo1に匹敵する性能を示し、一気に話題となった。
中国のオープンソースAIの勢いは、その年を通じて加速した。オープンウェイト(重みが公開された)AIモデルの共有プラットフォームであるHugging Faceが公表したレポートによると、中国のオープンソースモデルは、月間ダウンロード数でも累計ダウンロード数でも米国を上回った。2025年に注目を集めたモデルの大半は、中国で開発されたものか、中国で開発されたモデルを基にした派生版だった。
では、なぜこれらのモデルは市場でこれほど好調なのか。理由はいくつもあるが、特に大きいのは、ChatGPTやClaudeのような主要なクローズドモデルに比べ、はるかに低いコストで高い性能を出せる点ためだ。
オープンソース市場を席巻する中国勢
2026年3月の執筆時点で、Hugging FaceのオープンLLMリーダーボードの首位には、アリババのQwenを改良し、追加学習したモデルが立っている。市場全体を見ても、DeepSeek、Kimi、GLM-5といった中国製モデルの勢いが目立ち始めている。
「2025年を通じて、そして2026年初めにかけて、これらのモデルの採用は大きく伸びました」と語るのは、Hugging Faceの共同創業者兼CEOであるクレマン・ドゥラングだ。同氏は、中国のオープンソースモデルの勢いの背景について、「2025年には初めて、中国のモデル提供企業によるダウンロード数が、米国のモデル提供企業によるダウンロード数を上回りました」と語る、
さらにドゥラングは次のように語る。「中国はこの分野、つまりAI全般に大きく投資しており、米国よりもずっとオープンに成果を共有しています。今の中国のAI研究所では、オープンソースが事実上の標準です。一方、米国ではクローズドソースが標準です。中国勢が共有している成果物やデータセット、モデルの量は、米国を大きく上回っています」
こうした傾向を示しているのは、Hugging Faceのデータだけではない。500万人を超えるユーザーを抱える統合APIプラットフォームのOpenRouterもLLMリーダーボードを公開しており、上位5位のMimo V2 Pro、Step 3.5 Flash、DeepSeek V3.2、MiniMax M2.5、GLM 5 Turboはいずれも中国企業製だ。



