欧州

2026.04.03 11:30

イラン攻撃と米制裁緩和で潤うロシアの戦費、ウクライナ停戦の見通しは瓦解

ロシアがウクライナで運用していたイラン製の攻撃ドローン「シャヘド-136」。撃墜された機体が2025年10月14日、英ロンドンの英議会下院で公開された(Leon Neal/Getty Images)

英国のキア・スターマー首相は先週、「プーチンへの圧力を強めるにあたり、英国領海を通過する『影の船団』の船舶に接舷する」権限を英国海軍に付与すると発表。「プーチンの影の船団作戦は、ウクライナでプーチンが主導する違法な戦争を助長している」とし、「英国軍と沿岸警備隊は今後、英国が制裁を科した船舶を阻止できる」と述べた。

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オックスフォード大学で国際法を修めた弁護士でもあるスターマーはさらに、英国は欧州の同盟諸国と協力して「欧州と地中海で複数の『影の船団』の船舶を監視し、阻止に備えている」と説明。「プーチンは中東の紛争をもみ手して喜んでいる。原油価格の上昇が自身の懐を潤すと考えているからだ。だからこそ、われわれはプーチンの『影の船団』をこれまで以上に厳しく追及する。ウクライナでの野蛮な作戦の資金源となる汚れた利益を、プーチンの戦争機構から断ち切るためだ」と続けた。

これに対しクレムリンは、「影の船団」の拿捕・起訴に動く欧州諸国に報復を警告。プーチンの側近は2月、ロシア海軍を動員して「影の船団」を護衛する可能性に言及し、欧州の部隊と海上で小競り合いが発生する恐れが浮上した。

クレムリンは、実際にこれらの脅しを実行に移すだろうか?

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「今のところ欧州は結束を示そうとしており、ロシアからのエネルギー輸入に対する制限を緩和したり、全面禁止の方針を変更したりしないことを示唆している」とディキンソンは言う。

「多くの欧州諸国がプーチンの『影のタンカー船団』を標的とし、その活動を制限するため、より強硬な措置を講じている。これは欧州の基準からすれば非常に大胆な行動だ。プーチンが『影の船団』を守るために軍事行動に出ることはないとの確信が、欧州各国でかなり強まっていることを示唆している」

「『影の船団』の船舶の拿捕が始まった当初、ロシアが断固たる対応をとらなかったことで、欧州の指導者たちが勇気づけられたのは間違いない」とディキンソン。「これはウクライナにとって明らかな朗報だ。欧州諸国が事態の悪化に対する深刻な恐怖を克服し始め、もはやプーチンに簡単には脅かされなくなっていることを示唆しているからだ」と語った。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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