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2026.04.03 07:30

金と銀が急落、トランプによる「徹底攻撃」宣言を受け

Emmanuele Contini/NurPhoto via Getty Images

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米国時間4月1日夜の演説でドナルド・トランプ大統領がイランを「極めて激しく」攻撃すると宣言したことを受けて、原油価格は急騰し、2日早朝の銀価格は8%以上、金も4%以上値を下げた。

東部時間2日午前9時45分時点で、銀の価格は約7%安の70.71ドルをつけている。また、早朝には一時、前日より8%以上低い69.61ドルまで値を下げる場面もあった。

また、金の価格は同時点で約4595.50ドルとなり、4%以上下落している。

金と銀の価格はイラン攻撃の期間中おおむね下落傾向にあり、急騰する原油価格とは逆の動きを見せている。3月末に記録したわずかな上昇分は、今回の下落ですでに打ち消された。

ANZのアナリストは貴金属価格について、「対立が世界経済にインフレ・ショックをもたらすとの懸念から、強い下落圧力に直面している」と述べた。また、同アナリストのダニエル・ハインズは、原油高がインフレ懸念を煽り、米国の利下げ回数が減るとの予測から、金の価格が下落したと指摘している。

オーバーシー・チャイニーズ銀行のストラテジスト、クリストファー・ウォンはトランプの発言を下落の要因に挙げた。ウォンは、トランプの演説は「紛争を軍事的な成功談として位置づけ、停戦の発表はなかった」と述べ、「イランへの地上侵攻に対する懸念」が増したと付け加えた。

2日の原油価格は急騰した。アナリストらは、トランプの演説が紛争の長期化懸念を引き起こしたためだとしている。北海ブレント原油先物は午前9時45分時点で約8%高の109ドルとなった。3月末の高値からは下げているものの、イラン攻撃開始時からは50%超える上昇だ。TP ICAPのアナリスト、スコット・シェルトンはトランプの演説について、「和平交渉への言及は皆無で、事態のエスカレーションと『任務の完遂』を重視する内容だった」と述べた。

貴金属価格はイラン攻撃の大半の期間を通じて下落している。銀は最初の攻撃が起こる前日時点の93ドルから約4分の1の価値を失った。また、金は約12%下落し、攻撃開始時の5200ドルを超える水準から値を下げている。

地政学的な緊張が高まれば貴金属価格は高騰するという従来の定説に反し、2つの金属は原油価格と逆相関の動きを見せている。サクデン・フィナンシャルのアナリストは3月、急騰する原油とエネルギー価格を尻目に、金と銀は「原油と負の相関関係」にあると指摘した。また、「地政学的な不確実性が貴金属の下支えになる可能性はあるが、原油が安全資産としての需要の多くを吸収している限り、上値は抑えられたままだろう」と付け加えた。米ドルも紛争を通じて上昇しており、2日にもわずかに上昇した。このことも貴金属価格に対する下押し圧力となっている。

1月に史上最高値を更新するなど記録的な高騰を経た金と銀のリターンは、前年比では依然としてプラスを維持している。銀の価格はピーク時に120ドルを超え、金は5600ドルを突破したが、トランプが連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長にケビン・ウォーシュを指名したことを受けて暴落した。ウォーシュは金融政策に対してタカ派と見なされており、貴金属価格に有利に働くとされる利下げに踏み切る可能性が低いと考えられたためだ。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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