ビットコインが急落し、1ビットコインあたり7万ドルを再び割り込んだ。トレーダーたちは、突如として現実味を帯びてきたビットコイン価格の悪夢に身構えている。
量子コンピューティングに関する懸念に、イーロン・マスクも言及
そうした中、グーグルが量子コンピューティングのタイムラインを大幅に前倒ししたことを受けて広がった懸念に、イーロン・マスクも言及した。これにより、約5000億ドル(約79.5兆円。1ドル=159円換算)相当のビットコインがリスクにさらされている。
「良い面を言えば、ウォレットのパスワードを忘れていても、将来的にはアクセスできるようになる」とマスクはXに投稿した。この投稿には、暗号資産のポスト量子移行は「今すぐ急務だ」とする、マスクのAIチャットボット「Grok」との「会話」が添えられていた。
マスクは、ベンチャーキャピタリストのマックス・ライフがグーグルの研究を次のように要約したことに反応していた。「基本的にこう言っている。『ビットコインの暗号を破るのに必要な量子リソースを20分の1に減らした。今や破ることができる。証明もできる。ただし方法は教えない。暗号資産に猶予を与えるため研究を減速した。解決策を見つける時間は2029年までだ。幸運を祈る』」。
今週初め、グーグルの量子コンピューティングに関する論文が暗号資産市場に衝撃を与えた。ビットコインと暗号資産に対する量子リスクに焦点を当てるセキュリティグループProject Eleven(プロジェクト・イレブン)の分析によると、直近の価格で4700億ドル(約74.7兆円)相当となる約700万ビットコインが、量子リスクに対して潜在的に脆弱だという。
量子セキュア対応のソフトウェアとハードウェアを販売するBTQ Technologiesの社長兼イノベーション責任者クリス・タムは、メールでこうコメントした。「これは、暗号学的に意味を持つ量子コンピューティングが多くの人の予想より早く近づいていることを示す、これまでで最も明確なシグナルだ。グーグルのような企業がこのようなタイムラインを示した以上、業界は注視すべきだ」。
今週初め、グーグルのQuantum AIチームは論文の中で、ビットコインおよびイーサリアムのウォレットを保護する暗号を破るために必要な量子ビット(qubit)の数が、従来の推定より最大で20分の1になる可能性があると警告した。
「我々はポスト量子暗号への移行について、2029年というタイムラインを設定している」と、グーグルのセキュリティエンジニアリング担当バイスプレジデントであるヘザー・アドキンスはブログ投稿で述べた。「量子コンピューターは現在の暗号標準、特に暗号化とデジタル署名に重大な脅威をもたらすだろう」。
2025年から量子コンピューティングが暗号資産にもたらす脅威について警鐘を鳴らしてきたベンチャーキャピタリストのニック・カーターは、この量子の脅威を、核兵器開発につながった米国政府の極秘プログラム「マンハッタン計画」になぞらえた。
「間違いなく同等の重大さがある」とカーターはポッドキャスト「The Aubservastion」で語った。
「サトシのビットコイン」問題
しかし、ビットコインや暗号資産業界の一部は、グーグルの前倒しされたタイムラインを「パニック」になる理由とは見なしていない。
バイナンス創業者のチャンポン・ジャオ(通称CZ)は、量子コンピューティングの脅威は現実だが、アップグレードによって解決可能だと述べた。「大まかにいえば、暗号資産がすべきことはアップグレードだけだ」とCZはXに投稿し、「パニックになる必要はない」と付け加えた。
CZはまた「サトシのビットコイン」という「問題」にも言及した。これは、ビットコインのホワイトペーパーを書いた人物またはグループが、もし存命であれば管理していると考えられている、約700億ドル(約11.1兆円)相当の100万ビットコインを指す。
「もしそれらのコインが動けば、その人物がまだ存在していることを意味する。それは興味深い事実だ」とCZは書いた。「もし動かなければ(一定期間内に)、それらのアドレスをロック(または事実上バーン)して、最初に破ったハッカーの手に渡らないようにしたほうが良いかもしれない」。



