新たなマクロ環境が定着しつつある
日本では、長らく待ち望まれてきたマクロ経済の転換も起きている。デフレが続いた数十年を経て、インフレーションは2%前後で安定し、賃金の上昇を伴っている。これは経済行動の根本的な変化を示すものだ。
デフレ環境下では、消費者は支出を先送りし、企業は利益の成長に苦しむ。緩やかなインフレーションは、その力学を反転させる。価格決定力を支え、名目GDP(国内総生産)を押し上げ、企業収益性を改善する。
賃金上昇はこの循環を強化している。所得の増加が国内消費を刺激し、輸出依存からの段階的な脱却を促しており、より均衡が取れ、強靱な経済へと向かっていることを示唆する。
通貨と政策の追い風
為替の動きがさらなる追い風をもたらしている。相対的に円安が進むことで日本の輸出企業の競争力は高まり、海外収益を国内に還流した際の価値も増す。自動車、産業機械、半導体製造装置といった産業は、とりわけ有利なポジションにある。
金融政策もこれらのトレンドと歩調を合わせて変化しつつある。日本銀行は、長年の超緩和策から慎重に正常化へ踏み出し始めており、回復への自信を示している。それでも金融環境は他の先進国市場と比べて緩和的であり、引き続き株式を下支えしている。
構造的な強さに利益成長が重なる
これは単なるバリュエーション倍率の拡大の物語ではない。企業利益はファンダメンタルズの面から改善している。日本企業は、価格決定力、オペレーション効率、ガバナンス改革に支えられ、、過去最高水準に迫る利益を達成しつつある。
グローバルなサプライチェーンにおける日本の役割も、この見立てを強める。日本は半導体、オートメーション、先端製造の重要な担い手である。人工知能(AI)やデジタルインフラへの投資が加速する中、日本企業は不可欠な「つるはしとシャベル」の提供者として機能することが多く、恩恵を相対的に大きく受ける可能性がある。
政府の政策も、主要な技術分野への的を絞った支援を通じて、この優位性を強化している。


