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2026.04.02 07:00

対イラン作戦離脱の米最新鋭空母、修理のためクロアチアに到着 損傷は深刻か?

クロアチア・スプリト沖に停泊する米空母「USSジェラルド・R・フォード」。2026年3月29日撮影(Samir Jordamovic/Anadolu via Getty Images)

クロアチア・スプリト沖に停泊する米空母「USSジェラルド・R・フォード」。2026年3月29日撮影(Samir Jordamovic/Anadolu via Getty Images)

米海軍が誇る世界最大・最新鋭の原子力空母「USSジェラルド・R・フォード(CVN-78)」が3月28日、クロアチアのスプリト港に入港した。対イラン軍事作戦で紅海に展開中の3月12日に艦内の洗濯区画で火災が発生したため、ギリシャ・クレタ島のスダ湾に寄港。先週の大半は同地で物資や航空燃料の補給や予備的な修理を受けていた。

米海軍の発表によると、クレタ島に停泊中、構造技術者や造船技師をはじめとする前方展開地区造修統括本部(FDRMC)の専門家らが初期段階の修理評価を実施。また、米軍と連邦捜査当局が、作戦行動を離脱せざるを得ないほど深刻な火災に見舞われた原因について捜査を継続している。

緊急修理が必要だが、戦闘システムには影響なし

空母ジェラルド・R・フォードでの火災は鎮火に数時間を要し、煙の被害が就寝区画の寝台約100床に及んだ。米海軍は同艦の損傷の程度や必要な修理内容について明らかにしていないが、スダ湾では対応しきれない規模だったようだ。

米海軍歴史財団(NHF)の専任歴史家で元海軍中佐のデービッド・F・ウィンクラー博士によると、スダ湾の米軍基地は後方支援拠点であり、空母の大規模整備に必要な修理工廠を備えていない。「スプリトにはそれがある」という。

スプリトのローラ海軍基地は、第2次世界大戦後に旧ユーゴスラビア海軍の主要な軍港として建設された。1945年から1991年まで旧ユーゴ海軍の司令部が置かれ、91年9月に編成されたクロアチア海軍に引き継がれた。

「クロアチアには技術力の高い造船所が複数あり、米海軍の揚陸指揮艦マウント・ホイットニーや後方支援艦のオーバーホールを行った実績もある。一方、スダ湾には船舶修理工廠はなく、むしろ給油・補給基地だ」と、米シンクタンク・ハドソン研究所のブライアン・クラーク上級研究員は説明する。

ジェラルド・R・フォードの修理箇所に関する問い合わせに対しクラークは、発着艦、推進、戦闘に関わる設備は含まれていないとみていいだろうと電子メールで回答。「おそらく大部分は、洗濯室と周辺の居住区域、すなわち洗濯設備、断熱材、照明、内部隔壁などの修理だと思われる」と述べた。

米国防総省は、どこの造船所が空母の整備作業を担当しているのかについても明らかにしていないが、修理箇所は機密性の低い部分に限定される可能性が高い。

「米海軍は航海中の艦艇の修理についてクロアチアの複数の造船所と契約を締結しており、今回の作業もそこに委託していると推測していい。米艦隊司令部も、修理の監督と警備支援のチームを派遣しているだろう」とクラークは語った。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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