M113は米軍では第一線での運用から退きつつあるものの、北大西洋条約機構(NATO)の一部の加盟国やパートナー国ではいまだに現役である。この車両は累計で数万両生産され、多くの国で機械化部隊向けに採用された。装甲や駆動系、電子機器などの改良が施されることも多かった。
ウクライナへの供与
2022年2月にロシアがウクライナに対する全面侵攻を開始したあと、米国は利用可能で持続可能なシステムをウクライナ軍に迅速に装備させる取り組みの一環で、初期の安全保障支援パッケージにM113を組み入れた。最初の引き渡しは2022年4月に始まり、米陸軍の在庫から約200両から供与された。以後の支援パッケージにもM113は継続的に含まれ、2024年までに900両以上の供与が実行されるか確約された。これらには標準的な装甲兵員輸送車仕様のものだけでなく、医療後送型や指揮車両型などの派生型も含まれていた。
ほかのNATO加盟国やパートナー国も自国の在庫からM113をウクライナに譲渡し、米国の取り組みを補完した。オーストラリア、デンマーク、リトアニア、ポルトガル、スペイン、ドイツ各国などが供与したほか、欧州が共同イニシアチブを通じて再整備して提供したものもある。オランダはM113の改良型であるYPR-765を約350両供与した。イタリアが2025年に発表した軍事支援パッケージにもM113が約400両含まれ、ウクライナ軍が利用できる数はさらに増えた。米国からの供与分を合わせると、ウクライナはこれまでにM113とその派生型をざっと1900両は確保している(編集注:Oryxのまとめによれば、イタリアの約400両を除いて2100両弱に達する計算になる)。
ロシア・ウクライナ戦争での有用性
ウクライナの現在の脅威環境において、M113は生存性と機動力、殺傷能力のバランスがとれた車両となっている。ウクライナ軍の車両にとって、主な脅威はロシア軍の火砲やFPV(一人称視点)ドローンであり、戦車などの直接照準射撃兵器の有効性は「キルゾーン(撃破区域)」の形成によって低下している。
ほかの大半の装甲車両と同じく、M113は砲弾やドローン搭載の爆発成形弾(EFP)の直撃に耐えられない。一方で、その装甲は破片や擲弾、より小型のドローン搭載弾薬に対しては十分な防護を提供する。また、駆動系はドローン対策の追加装備の重量を支えることができ、ソーシャルメディアに最近投稿された画像では、おり状の「コープケージ」を上部に設置したり、ヤマアラシのように全体を突起物で覆ったりしたM113の姿も確認できる。
A Ukrainian “hedgehog” M113 with unraveled steel cables for considerable anti-FPV protection.
— Roy🇨🇦 (@GrandpaRoy2) January 6, 2026
Such extra material is pretty heavy, but the old vehicle seems to handle it easily. https://t.co/wrRVo0HDpZ pic.twitter.com/zs81fVWcbx


