若い人たちを対象にしたレトロ商戦が真っ盛りだが、こうしたノスタルジーマーケティングにZ世代は違和感を覚え、安直な復刻ビジネスは「あざとい」と嫌悪感を示す。なにせ懐かしさは彼らの自己肯定感の支えになっているからだ。
Z世代向けクリエイティブカンパニーFiom(フィオム)が運営するZ世代特化の次世代型シンクタンク「Z-SOZOKEN」(Z世代創造性研究所)は、全国の18〜24歳の男女218人を対象に、Z世代のノスタルジーマーケティングに関する意識調査を実施した。それによると、Z世代の半数が、もっとも強く心が惹かれる時代を自分が体験した子ども時代だと答えている。そこにリアルな懐かしさを感じるということだ。

その実体験にもとづいて子ども時代を懐かしむ時間は、52パーセントの人が「思い出を純粋に楽しみ、エネルギーをチャージする時間」だと感じている。また20パーセントは「今の自分を形作った原点を振り返り、自己確認する時間」と答えている。その時間が、精神的な回復と自己肯定の場として機能しているのだとZ−SOZOKENは話す。
それだけに、その当時の思い出を下手にいじられることに拒否感を持つようだ。広告やSNSで意図的にレトロなデザインが使われているのを見ると、33パーセントが面白い、センスがいいと受け入れている一方で、32パーセントが「話題作りなのが見えて少し冷めてしまう」、20パーセントが「とくに何も思わない」、15パーセントが「懐かしいが少し古くさいと感じる」と冷静な反応を見せている。

「懐かしい」が「古くさい」というのは微妙な感覚だ。自身の実体験とのズレを感じてのことかもしれない。また、ノスタルジーマーケティングに対する考えは、企業の気持ちを理解しながらも「少し狙いすぎ、あざといと感じることがある」、「思い出をビジネスに利用されていると感じ、少し冷めた目で見ている」と手厳しい。
さらに、復刻版商品に対して「もっとも許せない」ことを聞くと、47パーセントともっとも多かったのが「当時のデザインや味へのリスペクトがなく、中途半端に現代風にアレンジされていること」だった。思い出を煽るような過剰な宣伝文句、「限定」を乱発して消費者を不必要に煽ることへの反発も大きかった。
レトロブームに乗っかるのはいいが、人の「大切な思い出」の扱いには注意が必要だ。Z世代を舐めては困る。



