北米

2026.04.01 11:30

米国が外国製ルーターの販売を全面禁止──消費者が買える製品はあるのか

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米連邦通信委員会(FCC)は、米国外で製造されたすべての新しい消費者向けルーターを禁止した。これにより、米国の消費者には極めて答えにくい1つの疑問が残る。いま実際に買えるWi-Fiルーターは存在するのか。

FCCによる外国製ルーターの禁止は、安全保障上の措置として歓迎されている。家庭内のほぼすべてのインターネット通信を扱う機器が、他国の敵対勢力に制御されるのを防ぐ狙いだ。

FCC委員長のブレンダン・カーは声明で「外国で生産されたルーター」は「容認できない国家安全保障上のリスク」をもたらすと述べ、この禁止措置はトランプ大統領の2025年版国家安全保障戦略と整合すると主張した。同戦略は、米国は「中核部品について、いかなる外部勢力にも決して依存してはならない」としている。

しかし、消費者向けルーターに関して言えば、不都合な真実がある。米国(そして多くの国々)は、外国製品にほぼ全面的に依存しているのだ。

禁止されるルーター

禁止の対象は、米国製ではないすべての新しい消費者向けルーターにおよぶ。中国製の機器を特に狙い撃ちしているのではなく、同国外での製造全般が対象だ。さらに、米国内で設計または組み立てを行っても禁止を回避できない。FCCのFAQによれば、「生産」には「製造、組み立て、設計、開発を含む、機器が作られる過程のあらゆる主要段階」が含まれるとしている。

現在、米国の家庭で使用されている外国製ルーターは影響を受けず、通常通り使い続けられる。しかし率直に言えば、少なくとも一部でも外国で製造されていない代替ルーターを、米国の消費者が見つけるのは非常に難しくなるだろう。

ルーター業界の主要ブランドは、すべてアジアに製造拠点を持っている。Netgear、Ubiquiti、TP-Link、Amazon eeero、Google Nest WiFiなどがそれにあたる。米国のブロードバンド事業者が供給するルーターでさえ、Arris(現在はCommScopeの一部)、Sercomm、Sagecomといった企業により、主として外国で製造されている。

TP-LinkはThe Vergeに出した声明で、「FCCが、これまでFCCの認可を受けていない新規機器に関して発表した内容により、ルーター業界全体が影響を受けるように見える」と述べている。

例外規定

ルーターメーカーにとって、抜け道になり得る手段が1つある。特定モデルについて、FCCに適用除外を申請できるのだ。

しかし承認を得るためには、メーカーが満たすべきかなり厳格な条件の一覧がある。ルーターについて、すべての部品の原産国を含む「詳細な部品表(bill of materials)」を提出し、さらに「外国で製造されたルーターが、なぜ現時点で米国内で製造されていないのかについての正当化」を示さなければならない。

加えて、当該ルーターについて「米国内での製造を確立または拡大するための、詳細で期限を区切った計画」と、今後5年間にわたる米国内製造への資本支出計画の詳細も求められる。これは、この禁止措置が安全保障上の脅威への対策であるのと同時に、米国産業の後押しも目的としていることを示唆している。

適用除外を求める申請者は、FCCにメールで承認を求めることになる。

当面、米政府の厳格な基準を満たすルーターを米国の消費者が見つけるのは、まもなく非常に難しくなるかもしれない。「対象(covered)」のルーターを外国で購入し、個人使用のために米国へ持ち帰ることさえ禁止されている。ルーターが突然壊れたら、ネットに復帰するのは容易ではないだろう。

forbes.com 原文

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