新たな分析によれば、気候変動によって悪化した山火事が、昨年の世界の大気質の低下に大きく影響した。
スイス企業IQAirが発行する年次レポート「World Air Report」は、欧州とカナダの山火事による煙が、2025年に世界全体で約1380メガトンの炭素放出に影響を与えたという。
同調査によると、カナダは昨年、記録上2番目に深刻な山火事シーズンとなり、カナダ国内に加え、米国および欧州の一部にまで大気質への影響が及んだ。
このレポートは、143の国・地域・領土にある9446都市のモニタリングステーションのデータに基づく。
世界で最も汚染された都市トップ25はすべてインド、パキスタン、中国に集中し、特にインドは最悪レベルの上位4都市のうち3都市を占めた。
米国の主要都市で最も汚染が深刻だったのはテキサス州エルパソで、最も汚染された地域はカリフォルニア州のロサンゼルス南東部だった。
レポートによれば、2025年の欧州は大気汚染の傾向がまちまちで、PM2.5濃度が上昇した国が23カ国、低下した国が18カ国だった。
冬季の薪の燃焼、カナダの山火事の煙、サハラ砂漠の砂塵が、欧州の季節性大気汚染を悪化させたとされる。
一方でレポートは、ラテンアメリカとカリブ海地域では大気質のトレンドが概ね良好だったとも指摘している。
IQAirのグローバルCEOであるフランク・ハメスはインタビューで、カナダおよび北米の山火事により、多くの欧州の都市でPM2.5汚染が1〜2マイクログラム増加したと述べた。
「気候変動などが特定の気象現象の強度に影響を与えるなか、こうした国境を越える問題は今後さらに増えると見込まれる」と同氏は語った。
また、一般的な認識とは異なり、砂塵は無害ではなく、「肺の中の小さなナイフ」のように作用し得るとも述べた。
ハメスによれば、この調査は2025年1月のカリフォルニアの山火事も対象としており、こうした事象が主要な山火事がどこでも始まり得る「通年の現象」になったことを浮き彫りにしている。



